ニュース速報
ワールド

スペイン・ポルトガルの大規模停電、ほぼ全域で電力復旧

2025年04月29日(火)17時47分

 スペインとポルトガルで発生した大規模な停電は、29日朝までに大半の地域で電力が復旧した。写真は運行を再開したマドリードの地下鉄(2025年 ロイター/Violeta Santos Moura)

[マドリード 29日 ロイター] - スペインとポルトガルで発生した大規模な停電は、29日朝までに大半の地域で電力が復旧した。

スペインでは学校やオフィスが再開された。公共交通機関も運行を再開し、交通渋滞も緩和された。多くの病院で電力が復旧したが、一部では依然として自家発電機での稼働を続けている。

スペインの送電事業者レッド・エレクトリカは、29日朝の時点で国内の電力需要のほぼ全てに応えられるようになったと発表した。ポルトガルの送電事業者RENによると、28日夜までに国内全89カ所の変電所が復旧し稼働を再開した。

ポルトガル政府は、首都リスボンの地下鉄や鉄道は運行を再開し、空港は停電の影響による遅延が残るが運用を再開したと発表した。

フランスのフェラッチ産業相はRTLラジオに対し、フランスは大規模停電に対する備えがより進んでおり、国内への影響は「最小限」だったと述べた。

今回の停電は欧州では史上最大級で、当局は電力供給停止の原因究明を進めている。

レッド・エレクトリカの幹部は28日、記者団に対し、送電網が不安定になり、スペインとフランス間の電力接続が切断された結果、スペイン国内の電力システム全体が停止したと説明した。

エネルギーアナリストで公共政策専門家のジョン・ケンプ氏は、停電を引き起こした障害の原因特定には数カ月かかる可能性があるとの見方を示した。

「この地域は風力・太陽光発電の導入率が世界で最も高い地域の一つだ」と指摘し、「今回の停電は再生可能エネルギーの信頼性や、広範囲にわたる障害後の復旧に関する重要なケーススタディーとなるだろう」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる

ワールド

ウクライナ南部オデーサに無人機攻撃、2人死亡・15

ビジネス

見通し実現なら利上げ、不確実性高く2%実現の確度で

ワールド

米下院、カリフォルニア州の環境規制承認取り消し法案
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中