ニュース速報
ワールド

イスラエル、シリア南部に防衛地帯設置へ ゴラン高原の支配強化

2024年12月11日(水)04時11分

イスラエルのカッツ国防相は10日、イスラエルに対する戦略的脅威を排除するための作戦の一環として、同国海軍のミサイル艦が9日夜の作戦でシリア軍艦隊を破壊したと述べた。11月撮影(2024年 ロイター/Ronen Zvulun)

James Mackenzie Suleiman Al-Khalidi

[エルサレム/ダマスカス 10日 ロイター] - イスラエルのカッツ国防相は10日、イスラエルに対する「テロの脅威」を防ぐため、シリア南部に「イスラエル軍が常駐しない防衛地帯」を設けるよう命じたと述べた。詳細は明かさなかったが、防衛地帯は「シリアにおけるテロ組織の設立と組織化を阻止する」ことが目的だという。

さらに、イスラエル軍がイスラエル占領下のゴラン高原とシリアの間の緩衝地帯に拠点を築いていると表明。同地域の支配を強めていることを明らかにした。

イスラエル軍はアサド政権が崩壊した先週末以来、化学兵器を含むシリア軍の装備が反政府勢力の手に渡らないようにするためとして、シリア全土の一連の標的を攻撃している。

ネタニヤフ首相は「シリアの内政に干渉する意図はないが、われわれは安全を確保するために必要なことを行う。シリア軍が残した戦略的軍事施設が過激派の手に渡らないよう、空軍に爆撃を許可した」と明らかにした。

イスラエルのメディアは、空軍が250回もの攻撃を実施したと報道。軍は攻撃回数については明言を控えた。

イスラエル軍のショシャニ報道官も「われわれは戦略兵器が敵の手に渡るのを防ぐために行動している。これまで何年も、さまざまな方法や状況でこうした行動をとってきた。今もそれを実行している」と語った。

さらにカッツ国防相は、イスラエルに対する戦略的脅威を排除するための作戦の一環として、同国海軍のミサイル艦が9日夜の作戦でシリア軍艦隊を破壊したと述べた。

英海上警備会社アンブリーによると、少なくとも6隻のシリア海軍艦船が標的となった。映像には、1隻が傾き、他の5隻が沈没した様子が映っていたという。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ガザ停戦、ハマスが人質3人解放 イスラエルも90人

ワールド

ガザ停戦が発効、人質名簿巡る混乱で遅延 15カ月に

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明らかに【最新研究】
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 7
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 8
    注目を集めた「ロサンゼルス山火事」映像...空に広が…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    メーガン妃とヘンリー王子の「山火事見物」に大ブー…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 7
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中