ニュース速報
ワールド

フランス全土でデモ、マクロン氏の首相選出に抗議

2024年09月08日(日)14時50分

 フランスのマクロン大統領が中道右派のベテラン政治家ミシェル・バルニエ氏を首相に指名したことを受けて、フランス全土で7日、抗議デモが行われた。写真はマルセイユで7日撮影(2024年 ロイター/Manon Cruz)

John Irish

[パリ 7日 ロイター] - フランスのマクロン大統領が中道右派のベテラン政治家ミシェル・バルニエ氏を首相に指名したことを受けて、フランス全土で7日、抗議デモが行われた。

これに先立ち、左派連合は7月の総選挙で最大勢力となったにもかかわらず、マクロン氏が同連合から首相を選出しなかったとして、デモを呼びかけていた。

総選挙では左派連合、マクロン氏が率いる中道連合、極右「国民連合(RN)」のいずれも過半数議席を獲得できず、マクロン氏が5日、英国の欧州連合(EU)離脱時にEU側の首席交渉官を務めたバルニエ氏を首相に指名した。

左派連合に参加する極左「不屈のフランス」のジャン・リュック・メランション党首は、民主主義では敗北を受け入れる謙虚さが必要だと主張。デモ参加者に「長い戦いに着手する」よう呼びかけた。

主催者側の発表によると、フランス全土で約30万人、うちパリで16万人が平和的なデモを実施した。警察の発表ではパリのデモ参加者は2万6000人となっている。

バルニエ氏は6日、新政権に保守派、中道連合のほか、左派の一部が参加することを望むと述べた。10月初めに議会で政策目標を説明する予定で、不信任案の採決に直面する可能性がある。

同氏が率いる共和党は総選挙で第5勢力にとどまった。左派はバルニエ氏が大幅な歳出削減を進め、移民に強硬な姿勢を示すと警戒している。

抗議デモは国内130カ所で行われた。デモ参加者はマクロン氏が有権者を裏切ったとして、弾劾を求めている。

世論調査機関エラベが6日公表した調査結果によると、有権者の74%はマクロン氏が選挙結果を無視したと回答。選挙が「盗まれた」との回答は55%だった。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ファーストリテ、初任給37万円に12%引き上げ 優

ビジネス

対中直接投資、1─11月は前年比7.5%減 11月

ビジネス

世界のユーロ建て債発行、今年は20%増 過去最高=

ビジネス

デジタルユーロ、EU理事会がオンライン・オフライン
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 7
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 8
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中