ニュース速報

ワールド

ロシア、西側の原油価格上限に対応し減産も検討=プーチン氏

2022年12月10日(土)03時03分

ロシアのプーチン大統領は9日、西側諸国が合意したロシア産原油の取引価格の上限に従う国に対する供給を拒否するほか、産油量を削減する可能性があると述べた。写真は同日、キルギスタンの首都ビシュケクで開かれたユーラシア経済連合(EEU)会議に出席するプーチン大統領(2022年 ロイター/Sputnik/Pavel Bednyakov/Pool via REUTERS)

[モスクワ 9日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は9日、西側諸国が合意したロシア産原油の取引価格の上限に従う国に対する供給を拒否するほか、産油量を削減する可能性があると述べた。

先進7カ国(G7)と欧州連合(EU)、オーストラリアは先週、ロシアへの追加制裁として導入するロシア産原油の上限価格を1バレル=60ドルとすることで合意した。

これについてプーチン大統領は訪問先のビシュケクで行った記者会見で「これまでも表明した通り、このような決定を行った国に供給しない」とし、「必要に応じて減産の可能性も検討する」と表明。ロシアは石油輸出国機構(OPEC)プラスに参加しているためこうした劇的な措置は可能性にすぎないとしながらも、「向こう数日以内に発令する大統領令で具体的な措置を示す」と述べた。

その上で、西側諸国が合意したロシア産原油の取引価格上限は、現在のロシアの販売価格に対応しているため、ロシアの予算に対する懸念はないと指摘。価格上限設定は「愚かしく、稚拙だ」とし、その結果、世界的な原油産業が崩壊し、その後「壊滅的に」原油価格が上昇すると警告した。

ロシアのタス通信によると、シュルギノフ・エネルギー相は西側諸国の価格上限への対応にロシアには3つ選択肢があると表明。詳細については語らなかったが、現在、大統領令が準備されていると明らかにした。

ロイターのデータによると、9日のウラルブレンド原油は1バレル=53ドル近辺で取引されている。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は記者会見で、プーチンの脅しは予想外ではなかったが、ロシアが最終的にどのような行動を取るかはまだ分からないと指摘。「これらの発言に驚いていない。実際あまり目新しいことではない」とした。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米経済「「対応困難な均衡状態」、今後の指標に方向性

ビジネス

再送MSとエヌビディアが戦略提携、アンソロピックに

ワールド

サウジ、6000億ドルの対米投資に合意 1兆ドルに

ビジネス

米中小企業、26年業績改善に楽観的 74%が増収見
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 10
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中