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ロシア産油価上限設定、洋上タンカー立ち往生も 保険会社が警告

2022年11月11日(金)12時48分

 主要7カ国(G7)が導入を予定しているロシア産石油の価格に上限を設定する計画について、保険業界は詳細が早急にはっきりしなければ、タンカーが洋上で行き場を失う恐れがあると懸念している。ロシア・サマラ州の石油施設で9月撮影(2022年 ロイター/Alexander Manzyuk)

[ロンドン/ブリュッセル 10日 ロイター] - 保険業界は主要7カ国(G7)が導入を予定しているロシア産石油の価格に上限を設定する計画について、詳細が早急にはっきりしなければ、石油を積んだタンカーが洋上で行き場を失う恐れがあると懸念している。保険業界の幹部2人がロイターの取材で問題点を指摘した。

G7は9月に価格上限設定で合意し、12月5日から開始される予定。既に導入まで3週間しかなく、海運業界に周知徹底する時間はなくなりつつある。

懸念されるのは、上限価格以下で販売されたと思われていた海上輸送中の石油が、実際には上限を超える価格で販売されていた事実が保険会社に発覚する事態だ。

その場合は保険が適用されなくなり、買い手が商品の受け取りを拒否して資金面や物流面で問題が生じ、環境面でも危険な状況が起こり得る。

専門家は「時間が足りなければ、計画の詳細がある程度明確になるまで、誰もがリスク回避や解約、様子見、新規契約を結ばないといった代替計画を立てることになるだろう」と述べた。

航行中に保険契約が解除された場合、買い手やトレーダーは制裁措置の対象となりかねない。足止め状態の貨物をどう処理するかを検討する必要が生じ、ロシアへの資金流入を阻止する取り組みは困難になる。

先の専門家は「おそらくかなり面倒なことになるだろう」と述べた。

ロイター
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