ニュース速報

ワールド

EU加盟国、米ファイザーにワクチン納入削減圧力

2022年06月15日(水)00時40分

欧州連合(EU)加盟国の政府が、米製薬大手ファイザーをはじめとする新型コロナウイルスのワクチンメーカーに対して契約を見直すように再交渉の圧力を強めていることが分かった。4月撮影(2022年 ロイター/Jacob King)

[ブリュッセル 14日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟国の政府が、不要になった数百万回分のワクチンが無駄になる恐れがあると警告し、米製薬大手ファイザーをはじめとする新型コロナウイルスのワクチンメーカーに対して契約を見直すように再交渉の圧力を強めていることが分かった。EU当局者の話と、書簡で明らかになった。

ルクセンブルクで開かれたEUの保健相会議で議論されたが、EUの行政執行機関、欧州委員会は慎重な姿勢を崩していない。

ポーランド当局者がロイターに語ったところによると、ポーランドは3000万回分超のワクチン在庫を抱え、現契約ではさらに7000万回分の購入が必要で、無駄になるのを避けるために契約見直しを促している。

ロイターが閲覧した6月初旬の欧州委への書簡では、ポーランドのニェジェルスキ保健相がブルガリア、クロアチア、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ルーマニアとともに注文したワクチンの「量の削減」を求めている。

14日の保健相会議で、スロバキアはこの書簡を支持すると表明した。キプロスやマルタなどの国々は、新型コロナのパンデミックの状況が再び変化する可能性があるとして注意を促した。

ファイザーと米バイオ医薬大手モデルナは、一部のワクチン納入の延期に同意している。

しかし、保健相らは共同書簡で、ファイザーと合意した修正事項は「不十分な解決策であり、問題を遅らせるだけだ」と主張していた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、予想下回るGDPが圧迫

ビジネス

再送-〔ロイターネクスト〕米第1四半期GDPは上方

ワールド

中国の対ロ支援、西側諸国との関係閉ざす=NATO事

ビジネス

NY外為市場=ドル、対円以外で下落 第1四半期は低
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中