ニュース速報

ワールド

米独、ノルドストリーム2問題で合意 ロシア牽制

2021年07月22日(木)06時20分

7月21日、米国とドイツは、ロシアとドイツを結ぶガスパイプライン「ノルドストリーム2」を巡る合意を発表した。ロシアがウクライナや中東欧諸国に打撃を与えるためにエネルギーを武器として利用した場合、ドイツは独自の対応を行うほか、欧州連合(EU)に対し制裁導入を働き掛ける。写真は2020年2月、ロシアのチェリャビンスクのパイプライン工場で(2021年 ロイター/Maxim Shemetov)

[ワシントン 21日 ロイター] - 米国とドイツは21日、ロシアとドイツを結ぶガスパイプライン「ノルドストリーム2」を巡る合意を発表した。ロシアがウクライナや中東欧諸国に打撃を与えるためにエネルギーを武器として利用した場合、ドイツは独自の対応を行うほか、欧州連合(EU)に対し制裁導入を働き掛ける。

総工費110億ドルの同パイプラインは98%がすでに完成。ロシア北極圏からバルト海を通してドイツに天然ガスを供給する。米国はこの計画に反対していたが、バイデン政権は制裁措置で同パイプライン計画を完全に頓挫させない道を選んだ。

米独は共同声明で「ロシアの侵害と悪意のある活動の責任を追及する決意を共有している」と表明。「この合意は、ロシアが攻撃的な政治目標を達成するために、ノルドストリーム2を含むいかなるパイプラインも乱用しないようにすることを目的としている」とした。

共同声明によると、ロシアがエネルギーを「武器」として利用したり、ウクライナに対する一段の侵害を行ったりすれば、ロシアの欧州へのエネルギー輸出能力を制限するために、ドイツは独自の措置を取るほか、EUに対し制裁導入を含む対応を呼び掛ける。

独政府によると、米独合意発表の数時間前にドイツのメルケル首相はロシアのプーチン大統領と電話会談を行い、ノルドストリーム2について協議した。

ドイツはウクライナのエネルギーの独立性を高めるための総額10億ドルの基金に、少なくとも1億7500万ドルを拠出する。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

三菱自社長、ネクスペリア問題の影響「11月半ば過ぎ

ワールド

EUが排出量削減目標で合意、COP30で提示 クレ

ビジネス

三村財務官、AI主導の株高に懸念表明

ビジネス

仏サービスPMI、10月は48.0 14カ月連続の
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中