ニュース速報

ワールド

NZ中銀、政策金利を0.25%に据え置き 資産買い入れ規模も維持

2021年04月14日(水)14時41分

 4月14日、ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を予想通り0.25%に据え置いた。ウェリントンで2017年撮影(2021年 ロイター/David Gray)

[ウェリントン 14日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は14日、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を予想通り0.25%に据え置いた。緩和策の長期継続によってインフレと雇用の目標達成を図る考えを示した。

資産買い入れプログラムの規模を1000億NZドル(705億5000万米ドル)で維持。借り入れコスト低下を促す資金供給プログラム(FLP)も据え置いた。

政府の新たな住宅市場対策や外国人観光客の回復の影響を確認する必要があるとの認識を示した。

ロイター調査ではエコノミスト全員が金利据え置きを予していた。

決定を受けてNZドル/米ドルは0.1%高の1NZドル=0.7062米ドルとなった。

中銀は声明で、サプライチェーン(供給網)の混乱や原油価格の上昇によってインフレ率は短期的に急上昇し、目標レンジの中心である2%を上回る可能性もあるが、一時的な現象にとどまると指摘。

先行き見通しは引き続き「非常に不透明」で、目標達成にはかなりの時間と忍耐が必要になるとした。

「長期間の金融刺激策がなければ中期的なインフレと雇用は中銀の目標を下回る公算が大きい」とした。

ANZの首席エコノミスト、シャロン・ゾールナー氏は「中銀がきょう『様子見』と『後悔を残さない』戦略から逸脱する理由は全くなかった。市場は、引き締めがなお遠い先であるとの中銀のメッセージを受け入れている」とした。

ニュージーランドではロックダウン(都市封鎖)終了後に景気が急速に回復したが、ここ数カ月は企業信頼感が低下している。昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)はマイナス成長となった。

その一方で世界経済の見通し改善や、来週から始まるニュージーランド・オーストラリア間の隔離なし相互渡航が追い風になっている。

ニュージーランド政府は3月、住宅価格の高騰抑制に向け、投資家を対象とした税制措置や住宅供給拡大など一連の措置を発表した。

中銀はオーストラリアとの隔離なし渡航の再開は観光部門の収入や雇用を支えるはずだが、国内消費全体への最終的な影響は双方向の旅行者の動向次第との見方を示した。

また政府の新たな住宅政策による住宅価格抑制効果や、消費者物価、雇用への影響が表れるには時間がかかると指摘した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ホーム・デポ、通期利益見通し引き下げ 景気不透明で

ワールド

ポーランド鉄道爆破、関与の2人はロシア情報機関と協

ワールド

米、極端な寒波襲来なら電力不足に陥る恐れ データセ

ビジネス

英金利、「かなり早期に」中立水準に下げるべき=ディ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中