ニュース速報

ワールド

東京五輪まで100日、難しいコロナ対策 暑さとの両立も課題

2021年04月14日(水)10時19分

 東京五輪・パラリンピックの開会式まであと100日、開催国の日本では新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。写真は3月、南相馬市で撮影した聖火(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 14日 ロイター] - 東京五輪・パラリンピックの開会式まであと100日、開催国の日本では新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。聖火リレーは限定的な形で実施され、大会自体も前例のない特別な形での開催になることが確実だ。大会組織委員会の中村英正・大会開催統括は、順調に準備が進んでいるとする一方、事態が流動的なコロナ対策の難しさを指摘する。暑さとマスクの両立も課題だという。

100日後に迫る東京大会は、海外からの観客を受け入れないことがすでに決まっており、国内の観客の扱いが焦点となっている。4月中に観客数の上限が決まる見通しだが、中村氏は12日、ロイターの取材に対し、「4月中に決めきれるかというと、5月、6月にどういうふうにコロナがなってくるかわからない」と指摘。「4月中にどういうプロセスで何を決めていくのかということを整理できればと思う」と述べた。

観客の上限数は、日本国内で現在行われているスポーツイベントに適用されているルールに準ずるという。中村氏は「特別にオリパラだから(条件を)緩くするとかということは、基本的にはないと考えている」と語った。

<コロナ対策、罰則より納得が重要>

組織委など大会主催者は2月、コロナの感染防止対策をまとめた「プレイブック」の第1版を公表した。4月中に第2版を出すが、中村氏は「(開会式の)3カ月前ということで、完璧なものは難しいと思う。今の時点のものを示して、いろいろ意見をもらい、6月(公表予定)の最終版に向け、一歩一歩進めていきたい」と述べた。

ルールに違反した場合の罰則を最終版に盛り込むかどうかについては「罰則で縛ろうということではなく、具体的に選手村や競技会場でどういうことを守ってもらうのか、わかりやすく書くことが大事」だとし、説得力のあるルールブックを作っていく考えを示した。

中村氏は、コロナ禍中の大会準備で最も難しいのは感染状況が流動的なことだと指摘。「この数カ月の間でも大きな動きがあり、今後も動いていく。そういう中で準備を進めなければならない」と語った。「コロナ対策のところはまだ準備を尽くさなければならない」とする一方、「大きく言うと順調に準備が進んでいる」と述べた。

防護服や手指消毒のためのアルコールなど必要な備品については、現在組織委で対策チームを作って集約し、まとめて調達する予定だという。

コロナの感染拡大で大会延期が決まるまで、東京大会の最大の課題は暑さ対策だった。1年延期されてもその問題がなくなるわけではなく、コロナ対策によって懸念は一段と強まる。

中村氏は「暑さ対策とコロナ対策というのはバランスを取るのが難しいところもある」と指摘。「例えばマスクにしても、暑いと外してしまう方が多いかもしれない」と語った。熱中症とコロナの初期症状が似ていることにも留意して観客に発熱が出た場合など、さまざまなマニュアルを作って対応したいとした。

(宮崎亜巳、村上さくら 編集:久保信博)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ユーロ圏企業、利益悪化を予想=ECB調査

ワールド

ユーロ圏製造業PMI、1月改定49.5 生産回復も

ワールド

独製造業PMI、1月改定49.1に上昇 「回復進行

ワールド

仏製造業PMI、1月改定51.2に上昇 生産の伸び
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 3
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 6
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 7
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 8
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    エプスタイン文書追加公開...ラトニック商務長官、ケ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中