ニュース速報

ワールド

米、対中協力への「根拠のない」阻害要因除去を=中国外相

2021年03月08日(月)07時41分

 3月7日、中国の王毅国務委員兼外相は記者会見を開き、米国は民主主義の名の下で世界に不安定をもたらしていると主張するとともに、米国に米中間協力への「根拠のない」阻害要因を取り除くよう求め、気候変動などの問題で連携を呼び掛けた。北京の米企業社屋前で1月21日撮影(2021年 ロイター/Tingshu Wang)

[北京 7日 ロイター] - 中国の王毅国務委員兼外相は7日記者会見を開き、米国は民主主義の名の下で世界に不安定をもたらしていると主張するとともに、米国に米中間協力への「根拠のない」阻害要因を取り除くよう求め、気候変動などの問題で連携を呼び掛けた。

中国側は米国と対立する、台湾や新疆ウイグル自治区、南シナ海などの問題に関する「根拠のない主張や中傷を決して受け入れない」とし、米国は民主主義と人権の名の下で恣意的に外国の内政に干渉してきたと批判。「米国はいち早くこれに気付くべきで、そうしない限り、世界の不安定な状態は続く」と主張した。

また、米中間の意見の相違は慎重に取り扱う必要があるとし、双方は非生産的な非難合戦ではなく健全な競争を推進すべきで、気候変動や新型コロナウイルスとの闘いといった分野で連携が可能との見方を示した。

「米国と中国が歩み寄り、米中間協力に対する現行のさまざまな根拠のない阻害要因をいち早く取り除き、故意に新たな障害をつくらないことが望ましい」とした。

バイデン米政権は先週、国家安全保障政策をまとめた文書で中国は「唯一の競争相手」だと指摘。ブリンケン米国務長官は中国は今世紀「最大の地政学上の課題」と述べた。

バイデン政権は対中政策でトランプ前政権が取った強硬姿勢をおおむね維持する方針を示しているが、同盟国と協調して対応する考えだ。

王氏は台湾の問題について、譲歩の余地はないと強調。バイデン政権に対し、トランプ前政権の「危険な火遊びの行為」を変更するよう求めた。

新疆ウイグル自治区での人権侵害の指摘については、一部の西側諸国の政治家は故意に同自治区に関するうそを信じていると主張。「大半の人は『虐殺』という言葉で16世紀の北米のインディアンや19世紀のアフリカ人の奴隷、20世紀のユダヤ人、現在も闘っているオーストラリアのアボリジニを思い浮かべる」と欧米を「口撃」した。

「新疆でのいわゆる『虐殺』は全くもってばかげている。下心のあるうわさで、全くのうそだ」と断じた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

スペイン、欧州中銀理事会のポスト維持目指す=経済相

ワールド

EXCLUSIVE-トランプ政権、H─1Bビザの審

ビジネス

米セールスフォース、26年度収益見通し上方修正 A

ワールド

ベネズエラ大統領、トランプ氏との電話会談を確認 対
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    トランプ王国テネシーに異変!? 下院補選で共和党が…
  • 10
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中