ニュース速報

ワールド

バイデン米大統領、半導体の国内生産加速へ370億ドルの財源確保へ

2021年02月25日(木)12時38分

 2月24日、バイデン米大統領は、半導体や電気自動車向けの電池などの調達体制を再構築するための大統領令に署名した。政権当局者らが明らかにした(2021年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 24日 ロイター] - バイデン米大統領は24日、半導体の国内生産を加速させるための財源として370億ドルの確保を目指す考えを示した。半導体不足は国内の自動車生産ラインを休止に追い込んでいる。

また政権当局者によると、大統領は半導体や電気自動車(EV)向けの電池などの調達体制を再構築するための大統領令に署名した。

半導体不足を巡っては、24日にホワイトハウスでの大統領と超党派グループの会合でも議題となった。

バイデン氏は「半導体不足を解決するため、政権高官らに業界幹部と協力するよう指示した」とし「議会は法案を承認しているが、(半導体の)そうした生産能力を確保するには370億ドルが必要だ。これについても推進する」と語った。

バイデン氏は2021年の国防権限法(NDAA)に盛り込まれている半導体の生産能力拡大を目指す措置に言及したとみられる。同措置は財源を確保するのに別の予算割り当てプロセスが必要となる。

バイデン氏が署名した大統領令は、半導体、EV向けの電池、レアアース(希土類)、医薬品の4品目のサプライチェーン(供給網)について、ただちに100日間の審査を指示。さらに防衛、公衆衛生、通信技術、輸送、エネルギー、食品生産の6分野について調査も命じる。

米国では、新型コロナウイルスの流行を機に、マスクなどの医療用防具が不足。また世界的な車載用半導体不足で、国内の自動車生産ラインが休止する事態になっている。

政権高官は「ただ報告を指示するのでない。問題点を特定し、それに対処する行動計画を立てるつもりだ」と述べた。

大統領令は、特定の製品についてサプライチェーンの中国への依存を減らすことも狙っている。

自動車大手フォード・モーターは24日、バイデン氏の計画を歓迎。発表文書で「(半導体)不足問題の早期解決に努めることが、われわれの従業員、顧客、事業にとって極めて重要だ」とした。

米半導体工業会(SIA)によると、米半導体メーカーは世界販売の47%を占めるが、生産については大部分を海外に外注しているため、世界のわずか12%にとどまる。1990年には世界の生産の37%を占めていた。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください。)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベトナム次期指導部候補を選定、ラム書記長留任へ 1

ビジネス

米ホリデーシーズンの売上高は約4%増=ビザとマスタ

ビジネス

スペイン、ドイツの輸出先トップ10に復帰へ 経済成

ビジネス

ノボノルディスク株が7.5%急騰、米当局が肥満症治
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 4
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 5
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中