ニュース速報

ワールド

トランプ氏弾劾裁判、2月8日の週に開始 米上院与野党が合意

2021年01月24日(日)12時34分

1月22日、米民主党上院トップのシューマー院内総務はトランプ前大統領に対する弾劾決議が25日に上院へ送付されるとの見通しを示した。写真は1月20日、議事堂を出るシューマー氏(2021年 ロイター/ Melina Mara)

[ワシントン 22日 ロイター] - 米上院のシューマー民主党院内総務は22日、トランプ前大統領に対する弾劾裁判を2月8日の週に開始すると明らかにした。当初の予定より2週間遅らせることで共和党と合意した。これにより上院はバイデン政権の政策審議や閣僚人事の承認手続きのための時間を確保する。

シューマー氏はトランプ氏に対する弾劾決議(起訴状に相当)が25日に上院へ送付されると述べた。共和党のマコネル上院院内総務は歓迎する意向を示した。

上院の規則によると、弾劾裁判は弾劾決議が上院に送付された翌日(日曜日を除く)の午後1時から開始されることになっている。

シューマー氏は弾劾裁判の開始を遅らせることにより上院はバイデン大統領が指名した閣僚の承認採決などの重要な責務を速やかに果たせるほか、下院の訴追委員とトランプ氏の弁護団は裁判に備える時間的余裕が得られると指摘した。

議会で「この間に上院は閣僚の指名や新型コロナウイルス救済法案など国民のための他の懸案事項に引き続き対処する。同法案は新型コロナに苦しんでいる何百万人もの国民を救済する」と述べた。

マコネル氏の報道官は民主党がトランプ氏の弁護団により多くの準備期間を与えたことを共和党議員は喜んでいると述べ、弾劾裁判が2月9日にも始まる可能性があるとの見方を示した。

現在の予定では下院の訴追委員が訴追理由を説明する準備書面を提出し、トランプ氏側が2月2日にこれに対する反論書面を出す。8日に双方の冒頭陳述が行われる。

トランプ氏の命運はマコネル氏が握っているとみられている。マコネル氏は19日、今月6日に起きた連邦議会議事堂の乱入事件はトランプ氏が誘発したものと非難した。

ホワイトハウスのサキ報道官は記者団に対し、上院が弾劾裁判とバイデン大統領が進める1兆9000億ドル規模の景気対策法案などの審議を同時に進めることは可能とした上で、「現在の危機時に国民を救済するバイデン大統領の提案は、このプロセスにおいて遅らせることができない」と強調した。

*情報を追加しました。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

リクルートHD、求人情報子会社2社の従業員1300

ワールド

トランプ氏の出生権主義見直し、地裁が再び差し止め 

ワールド

米国務長官、ASEAN地域の重要性強調 関税攻勢の

ワールド

英仏、核抑止力で「歴史的」連携 首脳が合意
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 3
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 6
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 7
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 8
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 9
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 10
    ハメネイの側近がトランプ「暗殺」の脅迫?「別荘で…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中