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伊上院もコンテ内閣を信任、解散総選挙は回避するも支持縮小
イタリア議会上院は19日、コンテ内閣の信任投票を行い、暫定集計によると、賛成153、反対140で可決した(2021年 ロイター/YARA NARDI)
[ローマ 19日 ロイター] - イタリア議会上院は19日、コンテ内閣の信任投票を行い、賛成156、反対140の僅差だったものの、賛成多数で信任した。
前日には下院で賛成321、反対259の圧倒的多数で信任されており、解散総選挙は回避された。
ただ定数321の上院で絶対多数に必要なのは161議席で、信任票はこれに届かなかった。新型コロナウイルス危機で国家が非常事態にある中、少数与党政権の政策運営は容易ではなさそうだ。
コンテ首相は僅差での信任だった場合に辞職するとの憶測もあったが、今後は議会での支持拡大を模索すると表明。新型コロナ流行による公衆衛生面と経済面の2つの危機への対応に専念すると約束した。
先週には、コロナ危機への対応を巡りコンテ首相と対立したレンツィ元首相が連立政権からの離脱を表明。レンツィ氏が党首を務める少数政党「イタリア・ビバ」出身の閣僚らが辞任し、政局は混乱に陥った。
同党は19日の信任投票を棄権しており、政策で折り合えれば、再び連立政権に加わる可能性は残っている。だが、コンテ首相と主要な連立パートナーである左派の「五つ星運動」と民主党は「イタリア・ビバ」との和解に消極的だ。
コンテ首相は、連立に参加していない中道派とリベラル派の議員らから支持を取り付けるため、すでに政策の見直しと内閣改造を約束し、イタリアの近代化、景気回復計画の早期実現を望む考えを示していた。
上院の信任投票では、野党から信任賛成に回ったのは中道右派政党フォルツァ・イタリアの2議員だけで、多くの野党議員は信任に反対した。
イタリアでは少数与党政権は最近珍しくないが、こうした政権の運営は議会に大きく左右されてきた。
グイド・カルリ社会科学国際自由大学の政治学院長ジョバンニ・オルシーナ氏は、マッタレッラ大統領の任期終了前に半年間の選挙禁止期間があり、その期間に入る今夏に連立政権が崩壊すると予想する。
アナリストによると、多くの議員は再選されないことを恐れて解散総選挙を避けたいと望んでいる。だがオルシーナ氏は、一部の議員は今回の信任投票でコンテ首相続投を支持したが、選挙禁止期間に入って総選挙の可能性がなくなれば、コンテ首相を退陣させ、新政権樹立を図るとの見方を示した。
*内容を追加しました。