ニュース速報

ワールド

ドイツ、変異種懸念で2月半ばまで封鎖延長 入国制限も辞さず

2021年01月20日(水)14時07分

ドイツのメルケル首相は19日、新型コロナウイルス感染拡大抑制策の一環で実施しているロックダウン(都市封鎖)措置を2月14日まで延長することで各州首相と合意した。ベルリンで19日撮影(2021年 ロイター/FABRIZIO BENSCH)

[ベルリン/アムステルダム/コペンハーゲン 19日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は19日、新型コロナウイルス感染拡大抑制策の一環で実施しているロックダウン(都市封鎖)措置を2月14日まで延長することで各州首相と合意した。また、他の欧州諸国が感染拡大を食い止める措置を講じなければ、入国制限も辞さない構えを示した。

1月31日が期限となっている現行のロックダウン措置の下、新規感染者数はこのところ減少しているものの、英国で検出された感染力が強いとされる新型コロナ変異種の流行が懸念されている。

メルケル首相は16州の州首相との会合を終え、記者団に対し「われわれがどのような策を講じても、他国が同時に取り組まなければ成功しない」と述べ、「全ての周辺国が同様に対応するよう取り計らう必要がある。さもなければ入国制限などの措置を検討せざるを得なくなる」と危機感を示した。欧州首脳は21日にオンライン会議を開く。

ロックダウンの延長により、大半の学校は閉鎖が続く。メルケル氏は、一部の変異種が子どもの間で広がりやすいとされることを踏まえた決定だと説明した。

公共交通機関や商店では、布マスクではなく医療用マスクの着用が義務付けられる。企業には3月15日まで可能な限り在宅勤務を求める。

政府は打撃を受ける事業者への支援を拡充するほか、今月末で切れる予定だった破産申請義務の停止を4月末まで延長する。

ロベルト・コッホ研究所の19日の発表によると、ドイツ国内の感染者数は1万1369人増加して累計205万人となった。死者は989人増の4万7622人。

ドイツは人口10万人当たりの7日間累計感染者数を50人に抑えることを目標としているが、現状では132人に高止まりしている。

一方、オランダ政府も変異種への懸念から、週内に制限措置を強化する計画だと、保健当局者が明らかにした。オランダは先週、ロックダウンを少なくとも2月9日まで延長したばかり。

さらに、夜間外出禁止令施行の可能性や、自宅に招く人の人数制限(現在は大人2人まで)の強化が検討されており、20日に決定される見通しという。

当局のデータによると、新規感染者数は3週間連続で減少。18日の新規感染者は5000人弱で、昨年12月1日以来最少となった。

デンマークでも、現行のロックダウン措置を2月初旬以降も維持する可能性があるという。

フレデリクセン首相は、変異種の感染拡大が続いており「脅威は明白」とし、早ければ19日中にも制限措置が強化される可能性もあると述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ首都に無人機・ミサイル攻撃、7人死亡 エ

ビジネス

米ベスト・バイ、通期予想を上方修正 年末商戦堅調で

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平合意「極めて近い」 詳細

ワールド

中国の米国産大豆の購入は「予定通り」─米財務長官=
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 10
    トランプの脅威から祖国を守るため、「環境派」の顔…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中