ニュース速報

ワールド

豪中銀、必要なら金融緩和拡大の用意=ロウ総裁

2020年12月02日(水)12時10分

12月2日、オーストラリア準備銀行(中央銀行)のロウ総裁(写真)は、国内の経済成長について楽観的な見方を示したうえで、理事会は引き続き金融緩和を拡大する用意があるとした。シドニーで2016年9月撮影(2020年 ロイター/Jason Reed)

[シドニー 2日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)のロウ総裁は2日、国内経済について楽観的な見方を示した上で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による影響からの回復は不安定でまだら模様になると警告、長期的な政策支援の必要性を示唆した。

総裁は議会経済委員会で、第3・四半期と第4・四半期の国内経済について「しっかりとしたプラス」成長を見込んでいると述べた。

その上で、「見通しには依然として強い不透明感が伴う」ものの、「時間とともに明確になってきたのは、オーストラリアでは失業率の高止まりや非常に低い賃金の伸び、インフレが数年にわたって続き、われわれの目標が達成できない見込みであるということだ」と指摘。

「現在の環境において理事会の優先課題は高水準となっている失業率に対処することだ。われわれは中銀が備える手段を用いて可能な支援措置を取る意向だ」と述べた。マイナス金利政策については導入する可能性は極めて低いとの見解を改めて示した。

住宅市場の過剰債務を抑えるためのマクロプルーデンス政策はまだ必要ではないとの認識も表明。「マクロプルーデンスに関する政策手段を主張するだけの根拠は弱い」とし、「私たちは人口動態を踏まえ、住宅価格の急激な上昇は見込んでいない」と述べた。

オーストラリア統計局がこの日発表した第3・四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比3.3%増と、ロイターがまとめた市場予想の2.6%増を上回った。

豪中銀は1日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを予想通り過去最低の0.10%に据え置き、1000億豪ドル規模の量的緩和プログラムを維持した。

*住宅市場に関する発言を追加しました

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、北朝鮮外相と会談 関係強化を協議=KC

ワールド

カナダ首相、米との貿易協議再開に前向き トランプ氏

ビジネス

米クアルコム、AI半導体に参入 サウジから大型受注

ビジネス

再送-円金利資産は機動的に購入や入れ替え、償還多く
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大ショック...ネットでは「ラッキーでは?」の声
  • 3
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下になっていた...「脳が壊れた」説に専門家の見解は?
  • 4
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 5
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 6
    中国のレアアース輸出規制の発動控え、大慌てになっ…
  • 7
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 8
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 9
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 10
    「死んだゴキブリの上に...」新居に引っ越してきた住…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中