ニュース速報

ワールド

米、承認後最短24時間でコロナワクチン接種へ 11月感染者420万人

2020年12月02日(水)06時23分

12月1日、米政府の新型コロナウイルスのワクチン開発を加速する「ワープ・スピード作戦」のモンセフ・スラウイ首席顧問は規制当局によるワクチン承認から24時間以内、最長でも36─48時間以内に、医療従事者らへの接種を開始する可能性があると述べた。写真は4月20日撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic)

[ワシントン/ニューヨーク 1日 ロイター] - 米政府の新型コロナウイルスのワクチン開発を加速する「ワープ・スピード作戦」のモンセフ・スラウイ首席顧問は1日、規制当局によるワクチン承認から24時間以内、最長でも36─48時間以内に、医療従事者らへの接種を開始する可能性があると述べた。

さらに、年内に2000万人がワクチン接種することを望むとの考えを示した。

米国では11月、新型コロナ新規感染者数が420万人に達した。専門家の提言にもかかわらず、マスク着用を拒否し、ホリデーシーズンに向け人が集まる中、感染者数は前月から倍増超となり、ワクチン早期承認への期待が高まる。

米ファイザーは11月20日に米食品医薬品局(FDA)にコロナワクチンの緊急使用許可を申請。FDAの外部専門家委員会は今月10日に会合を開き、FDAが緊急使用を認めるべきか助言を行う。

米国では米モデルナも11月30日にコロナワクチンの緊急使用許可を申請。モデルナのワクチンの緊急使用許可はファイザーの1週間後に検証される。ファイザーとモデルナのワクチンはともに2回の接種が必要。

スラウイ氏は、米国では来年1月までにファイザーとモデルナのワクチン合わせて毎月6000万─7000万回分が用意できると予想。米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)と英アストラゼネカのワクチンも緊急使用許可が承認されれば、3000万─5000万回分が上乗せされるとした。

さらに、来年初頭までに4種類のワクチンの使用が承認されれば、3─4月までに製造量は毎月1億5000万回分程度に達するとの見通しを示した。

ワープ・スピード作戦の供給・製造・配布を監督するポール・オストロウスキ氏は、米国民全員が6月までにワクチンを接種する見通しとした。

また、米運輸省はこの日、コロナワクチンの「即時の大量輸送」を可能とする態勢を整え、全ての規制上の措置を完了したと明らかにした。

スラウイ氏は、ファイザーのワクチンの緊急使用承認を受け12月半ばにも直ちに出荷を開始するために、ワクチン輸送の「予行演習」がすでに開始されていると表明。米疾病対策センター(CDC)は、約2100万人の医療関係者と約300万人長期療養施設で暮らす人たちを優先的に接種するとしている。

米国立予防接種・呼吸器疾患センター(NCIRD)のナンシー・メソニエ所長はCDCの諮問委員会で、大半の州や地方自治体は最初のワクチン入手後3週間以内に医療従事者の接種が可能になることを期待していると述べた。

同委員会で示されたCDCのプレゼンテーションによると、CDCはコロナワクチンが規制当局に承認されれば、12月末までに約4000万回分が利用可能となり、1週間に500万─1000万回分が供給されると予想している。

*情報を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、6000件減の21.6万件 7

ワールド

中国、日本渡航に再警告 「侮辱や暴行で複数の負傷報

ワールド

米ロ高官のウ和平案協議の内容漏えいか、ロシア「交渉

ワールド

サルコジ元大統領の有罪確定、仏最高裁 選挙資金違法
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 5
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 8
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 9
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 10
    「世界の砂浜の半分」が今世紀末までに消える...ビー…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 6
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 7
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中