ニュース速報

ワールド

中韓外相が会談、北朝鮮・新型コロナ問題で協力表明

2020年11月27日(金)01時10分

 11月26日、韓国の康京和外相(写真右)は、訪韓している中国の王毅国務委員兼外相(写真左)と会談した。写真はソウルでの代表撮影(2020年/ロイター)

[ソウル 26日 ロイター] - 韓国の康京和外相は26日、訪韓している中国の王毅国務委員兼外相と会談した。両外相は二国間関係の強化や、北朝鮮の核問題を巡る協議の停滞、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)といった問題への対応で、連携していく方針を表明した。

中国の王外相は今回の訪韓について、域内の平和・安定の維持やグローバル・ガバナンスの推進で中韓が「戦略的パートナー」として協力する中、二国間関係の重要性を示すものだと強調。

康外相との会談の冒頭、通訳を介して「新型コロナ危機が両国の市民を打ち負かすことはできない。この二国間関係はコロナの厳しい試練を克服し、力強さとこれまで以上の勢いを示している」と述べた。

康外相は、王外相の韓国訪問に謝意を示し、2022年に両国の外交関係樹立30周年を迎えるのを前に、北朝鮮や新型コロナ、経済問題を巡り、協力関係強化に向けた意見交換を行うことに期待を表明した。

両国は米国で政権移行が始まる中、習近平・中国国家主席の訪韓の可能性を模索している。習主席の訪韓は当初、今年初めに予定されていたが、新型コロナの感染拡大で延期となった。

韓国外務省の報道官は外相会談について、習主席の訪韓や相互利益の問題などについて「広範で掘り下げた」協議が行われたと述べた。

王外相は、記者に習主席の年内の訪韓の可能性について尋ねられると、新型コロナ感染症を含め、両国が実現に向け「状況」の調整に取り組んでいると述べた。

韓国政府筋によると両外相は米国のバイデン新政権についても意見交換し、王氏は米国の北朝鮮政策に「期待」を表明した。

王氏は2017年に韓国に配備された米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)について改めて抗議した。康氏は王氏に文化交流の制限解除を求めたという。

こうした中、中国外務省は声明を発表し、会談で王氏が朝鮮半島問題を巡り、2カ国が対話を通じて解決する努力を根気強く続ける必要があると述べたことを明らかにした。

それによると王氏は、双方が朝鮮半島の非核化の目標を堅持すべきだと指摘。また、中国はコロナ感染の予防と制御に向け、韓国との協力関係を深める用意があると表明した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

26年度の超長期国債17年ぶり水準に減額、10年債

ワールド

フランス、米を非難 ブルトン元欧州委員へのビザ発給

ワールド

米東部の高齢者施設で爆発、2人死亡・20人負傷 ガ

ワールド

英BP、カストロール株式65%を投資会社に売却へ 
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これまでで最も希望が持てる」
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 6
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 7
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 8
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中