ニュース速報

ワールド

米共和党、最高裁判事承認の上院委採決強行へ 民主はボイコット表明

2020年10月22日(木)11時47分

10月21日、米民主党はトランプ大統領が連邦最高裁判所判事に指名したエイミー・バレット氏(写真)の承認手続きを巡り、上院司法委員会が22日に実施する採決をボイコットする方針を明らかにした。米議会で代表撮影(2020年 ロイター)

[ワシントン 21日 ロイター] - 米民主党は21日、トランプ大統領が連邦最高裁判所判事に指名したエイミー・バレット氏の承認手続きを巡り、上院司法委員会が22日に実施する採決をボイコットする方針を明らかにした。しかし、上院で多数派の共和党は採決を予定通り実施すると表明した。

同委のグラム委員長(共和党)は声明で「バレット氏は採決を行うのにふさわしく、実施される見通しだ」とした。

民主党上院トップのシューマー院内総務と司法委の民主党メンバーはこれより先、採決を欠席すると発表。共同声明で「世界的なパンデミックや選挙のさなかに、共和党は最高裁判事の承認を急ぎ、多くの人々から医療保険を奪うとともに、議会を通過させられなかった極端で不人気の計画を実行しようとしている」と主張した。

米大統領選・議会選がわずか12日後に迫り、期日前投票が既に行われていることに触れ、「(承認手続きは)最初から不正だ」とした。

グラム委員長はこれに反論し、バレット氏は最高裁の「将来的な判事候補のゴールドスタンダードとなるべき裁判官としての資質を備えている」と強調した。

同委の共和党議員12人全員がバレット氏の承認に賛成票を投じる考えを示しており、民主党議員10人は反対する構えだ。

司法委で予想通りバレット氏が承認されれば、共和党が週明け26日に計画する上院本会議での採決に道が開かれる。共和党上院トップのマコネル院内総務は、上院本会議で25日に手続き上の採決を済ませ、26日に最終採決に持ち込みたい考えだ。

民主党はバレット氏承認に強く反対してきた。同氏が就任すれば、最高裁判事は保守派6人・リベラル派3人という構成になる。

トランプ大統領は今年の大統領選は最高裁で決着することになるとの見方を示しており、選挙関連の訴訟にバレット氏が判事として加わっているよう図りたい考えだ。[nL3N2GK3YE]

大統領選の投票日にこれ程まで近いタイミングで最高裁判事の指名が承認されるのは前例がない。

民主党側は、共和党が2016年に大統領選挙の年であることを理由に、当時のオバマ大統領が指名した最高裁判事の承認手続きを拒否したにもかかわらず、今回は選挙を目前に控えて「猛烈なスピード」で承認しようとしていると改めて非難した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

基調的な物価上昇率、徐々に高まり 見通し期間後半は

ワールド

米中外相が北京で会談、中国のロシア支援など協議

ワールド

中国全人代常務委、関税法を可決 報復関税など規定

ワールド

エクイノール、LNG取引事業拡大へ 欧州やアジアで
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中