ニュース速報

ワールド

米大統領選の「有権者脅し」に警戒も、トランプ氏の投票監視発言で

2020年10月01日(木)13時12分

トランプ米大統領が11月の大統領選に関し、自身の支援者に投票所での「注意深い監視」を呼び掛けた発言について、野党・民主党や無所属の選挙専門家らは30日、「有権者脅し」という違法行為を遠回しに促しているとして批判した。写真はバージニア州で25日撮影(2020年 ロイター/TOM BRENNER)

[30日 ロイター] - トランプ米大統領が11月の大統領選に関し、自身の支援者に投票所での「注意深い監視」を呼び掛けた発言について、野党・民主党や無所属の選挙専門家らは30日、「有権者脅し」という違法行為を遠回しに促しているとして批判した。

米国の選挙制度は、州法と連邦法をつなぎあわせ規定されている。政党に所属する選挙監視要員については、選挙手続きに介入しないよう、概して厳しい行動基準がある。

29日に開かれた米大統領選の第1回候補者討論会で、トランプ氏は郵便投票が不正につながるとの持論を改めて展開し、支援者に対して「投票所に行き、注意深く監視する」よう求めた。

「公正な選挙になることを望む。公正である限り私は100%受け入れる。しかし何万もの票が不正に操作されているのを見たら、受け入れることはできない」と語った。

野党・民主党はトランプ氏が有権者の恐怖心をあおってていると主張。

ネバダ州のアーロン・フォード州司法長官はツイッターへの投稿で「ネバダでは有権者を脅すのは違法だ。私を信じて欲しいが、脅せば罪に問われる」とした。

ペロシ下院議長はMSNBCに対し、「トランプ氏は人々を脅している」と強調した。

投票所での監視員による監視方法の規定は州によって異なる。民主、共和ともに11月3日の投票日には過去最多規模のボランティアが集まると予想している。

約40州は政党に所属している監視員が選挙前に正式認定を受けることを義務付けている。

米非営利団体「選挙制度革新&研究センター」のデービッド・ベッカー所長は「大半の州は政党や候補者に控えめの投票監視を行う多少の余地を与えている」と説明。その上で「有権者が安心感を得られる機能的な投票施設も必要だ」とした。

共和党は過去に有権者への脅し行為があったことから、30年以上にわたり連邦裁判所に全米レベルでの投票所監視活動を制限されてきた。制限は2018年に解かれた。

トランプ陣営は激戦ペンシルベニア州で、党所属の監視員が州の登録有権者であることを義務付ける州法を覆そうとしている。

民主党はこれまでに、武器を所持する右派団体の一部が、民主党員の投票率を抑えるために、マイノリティーの人口が多い地域などで投票所の近くに集合する可能性に懸念を示している。民主は19の州で有権者保護要員を起用し、投票日には多数のボランティアや弁護士を各地に配置する計画。

2016年の大統領選でトランプ氏のミシガンでの選対幹部を務めたスコット・ヘーガーシュトレーム氏は共和党が有権者を脅す可能性について「ばかげている」とし「起きるはずがない」と述べた。投票で不正が横行するとのトランプ氏の見解にも否定的な見方を示した。

一方、新型コロナウイルス感染拡大を受けて郵便投票に切り替える投票者が急増している。フロリダ大学を拠点に選挙情報を提供する「米選挙プロジェクト」によると、投票日を約1カ月後に控え、既に約160万人が投票を終えている。

共和党全国大会はこれまで、同党所属の選挙監視員は訓練を受け、州法に従うとしている。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米議員ら、エプスタイン文書の黒塗り追及 司法長官と

ビジネス

物言う投資家アンコラ、ネトフリのWBD買収に反対へ

ビジネス

豪中銀、インフレ定着なら追加利上げも=ブロック総裁

ビジネス

米フォード、全社的なボーナス増額 車両の品質改善受
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 6
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 7
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 10
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中