ニュース速報

ワールド

トランプ氏、医療保険・薬価巡り大統領令に署名 効力に疑問符も

2020年09月25日(金)11時23分

トランプ米大統領は24日、医療保険および処方薬に関する2つの大統領令に署名した。11月3日の大統領選を前に大きな争点の1つである医療保険・薬価の問題で有権者にアピールする狙いがある。ただ、法律専門家は法的効力はほとんどないと指摘する。 写真は24日、米ノースカロライナ州シャーロットでヘルスケアについて語るトランプ大統領。(2020年 ロイター/Tom Brenner)

[シャーロット(米ノースカロライナ州) 24日 ロイター] - トランプ米大統領は24日、医療保険および処方薬に関する2つの大統領令に署名した。11月3日の大統領選を前に大きな争点の1つである医療保険・薬価の問題で有権者にアピールする狙いがある。ただ、法律専門家は法的効力はほとんどないと指摘する。

トランプ氏はノースカロライナ州シャーロットの空港の航空機格納庫で医療従事者を含む観衆を前に、自らの「米国第一ヘルスケアプラン」を実現するための大統領令に署名。

「私の計画の下、メディケア(高齢者向け公的医療保険)の加入者3300万人が近く、処方薬の支払いで使える200ドルが入ったカードを郵便で受け取ることになる」と表明。

トランプ政権はまた、各州や米領土が価格が低めの処方薬をカナダから輸入することを可能にする新たなルールも打ち出した。

トランプ氏は、前週署名した、メディケアで支払われる処方薬の価格を他の先進国の公的保険で支払われる最も低い価格水準に抑える内容の大統領令によって薬価の一段の値下げが見込まれると述べた。製薬会社や専門家はこの大統領令に対して訴訟が提起された場合に有効性を証明できるかどうかについて懐疑的だ。[nL4N2GB039]

アザー厚生長官は記者団に、新たに署名された大統領令の1つは、既往症を持つ人が医療保険に加入する権利を保護する内容だと説明。同権利は前政権の医療保険制度改革法(オバマケア)によっても保護されているが、トランプ政権はオバマケア廃止を目指している。

アザー氏はまた、2つ目の大統領令を通じて、国民が意図せず保険でカバーされない診察を受け、想定外に高額の医療費請求を受け取る状況をなくす法案を議会と協力して来年初めまでに成立させるよう指示を受けたと明らかにした。法案の形で実現できない場合は、行政措置を検討するという。

民主党のペロシ下院議長はトランプ氏の取り組みは「いんちき」だと批判し、新型コロナウイルス流行を踏まえてオバマケア無効化を求める訴訟を撤回するよう求めた。トランプ政権は6月に最高裁に対し、オバマケア無効化を申し立てた。

一方、ミシガン大学法学部の教授であるニコラス・バグリー氏は今回の大統領令について、「問題となっている行為を禁止する法律が存在するか、大統領が議会の委任によって権限を行使しているのでない限り、大統領の文書はツイートぐらいの法的効力しかない」と指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、NATOへの関与に否定的発言 集団防衛

ワールド

北朝鮮が固体燃料エンジンの地上燃焼実験、金総書記が

ワールド

ウクライナ大統領がUAE・カタール訪問、防衛協力で

ワールド

全米で反トランプ集会 移民政策やイラン戦争に抗議 
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 9
    ウィリアム皇太子が軍服姿で部隊訪問...「前線任務」…
  • 10
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が…
  • 6
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 7
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 8
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中