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米共和党大会初日、民主党政権下での悲惨な将来図を描く

2020年08月26日(水)14時02分

11月の米大統領選に向けた共和党の全国大会が24日、ノースカロライナ州シャーロットで開幕し、再選を目指すトランプ大統領が同党候補に正式に指名された(2020年 ロイター/LEAH MILLIS)

[シャーロット(米ノースカロライナ州) 24日 ロイター] - 11月の米大統領選に向けた共和党の全国大会が24日、ノースカロライナ州シャーロットで開幕し、再選を目指すトランプ大統領が同党候補に正式に指名された。

初日の共和党大会では、民主党が政権奪取した場合には急進的社会主義と混とんの時代が来るとする悲惨な将来図が描かれた。

「民主党はこの国と、我々が勝ち得たものや大切なもの全てを崩壊させようとしている。自由を奪い、思想や信条を統制しようとしている」と述べたトランプ陣営の選挙アドバイザー、キンバリー・ギルフォイル氏を筆頭に、この日登壇した演説者はそろって、民主党政権下の暗い予言を提示した。

先に行われた民主党大会では、トランプ氏が混乱や分断を生んだとの批判が展開されたが、共和党関係者は、より希望に満ちたメッセージを発信するとしていた。[nL4N2FQ1N5]

トランプ大統領は事前の予告なしに会場に姿を表し、「われわれはこの選挙で勝利する」と宣言。さらに「民主党が勝てるとすれば、不正選挙を通じてのみだ。われわれは勝利する」と述べた。

またペンス副大統領は冒頭演説で「この選挙での選択肢は極めて明白で、間違えば損害は計り知れない」と強調した。

共和党の全国大会は4日間の日程で、オンライン形式と観客を入れたイベントを交えて開催される。トランプ大統領の大統領候補指名受諾演説は最終日に予定されているが、毎日何らかの演説を行う見通し。

トランプ氏は74歳。先週の民主党全国大会で大統領候補に指名されたバイデン前副大統領は77歳。世論調査ではバイデン氏がリードしている。

トランプ氏は全国的に広がった人種差別反対運動に対し「法と秩序」に焦点を当てた対応を行ってきたほか、学校や事業活動の再開を進めてきた。こうした点を、特に郊外に住む女性有権者に訴えかける方針。

トランプ大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏も、最近の社会不安で、小規模事業者が無政府主義者から暴力的な攻撃を受けていると主張。民主党では治安を維持できないとの認識を示した。

この日はこのほかに、上院で唯一のアフリカ系共和党議員であるティム・スコット議員や、ニッキー・ヘイリー前国連大使らが演説。

国連大使を務めたインド系米国人のニッキー・ヘイリー氏は演説で「民主党関係者の間で、米国は人種差別の国だという発言が相次いでいるが、それは嘘だ。米国は人種差別の国ではない」と表明した。

共和党のマット・ゲイツ下院議員は「(民主党政権が発足すれば)武器の携帯が認められなくなり、刑務所が空になり、市民は自宅に閉じ込められる。(犯罪組織の)MS-13と隣り合わせに住むことになる」と発言。

また複数の登壇者は、バイデン氏が警察予算の打ち切りやフラッキング(石油やガスを採掘する水圧破砕法)の禁止を望んでいると主張。バイデン氏はそのようなことは望んでいないと反論している。

人種差別に反対するデモの参加者に銃を向けたマクロスキー夫妻など、トランプ氏の支持拡大を狙ったとみられるスピーカーらも登場。同夫妻は、民主党が国民を危険にさらすと批判した。

新型コロナウイルス感染拡大を受け各州が導入したロックダウン(都市封鎖)などの措置を巡っては、トランプ氏は大統領選の投票状況に影響を及ぼすための試みだったと指摘。「新型ウイルス感染症(COVID-19)を利用して、全ての米国民から公正で自由な選挙を奪おうとしている」と述べた。

医療専門家や自営業者も、トランプ氏のコロナ対応が人命や人々の生活を救ったと称賛した。

共和党はこれまでの慣例だった政策公約を詳細に記した文書の採決は行わず、トランプ氏の現行政策を支持すると表明。トランプ氏の選対陣営が公表した公約の骨格には、10カ月間で1000万人の雇用を創出するとの目標が含まれた。

先週行われた民主党大会は、新型ウイルス感染抑制に向け、ほぼ全てがオンライン形式で実施された。共和党大会は当初の予定から規模は縮小されたものの、民主党とは対照的に、観客を入れたイベントで行われる部分もある。

また、民主党大会には同党の大統領経験者3人全員のほか、過去の大統領候補者らが登場したが、共和党大会は不参加。ジョージ・W・ブッシュ前大統領のほか、2012年の大統領選の共和党指名候補だったミット・ロムニー上院議員は登場しない。

大会会場近くでは前夜にデモが行われ、参加者は警察当局と3夜連続で衝突、警察側は催涙スプレーを使用しデモ隊の排除を試みた。

*内容を追加しました。

ロイター
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