ニュース速報

ワールド

中国の上期の米国産エネルギー輸入、目標の5%どまり

2020年08月04日(火)18時54分

 中国が今年上半期に購入した米国産エネルギー商品は、1月に成立した米中の第1段階通商合意の通年目標(253億ドル)の5%にとどまった。写真は上海の港湾施設で2019年8月撮影(2020年 ロイター/Aly Song)

[北京/シンガポール 4日 ロイター] - 中国が今年上半期に購入した米国産エネルギー商品は、1月に成立した米中の第1段階通商合意の通年目標(253億ドル)の5%にとどまった。

ロイターが中国税関のデータを基に算出したところによると、中国が今年上半期に米国から輸入した原油、液化天然ガス(LNG)、冶金用石炭などは総額12億9000万ドル。

米国からの輸入ペースは最近加速しているものの、アナリストはエネルギー価格の低迷や米中関係の悪化を背景に、通年目標を達成できない可能性があると指摘している。

オックスフォード・エネルギー研究所のディレクター、マイケル・メイダン氏は「第1段階の目標はあまりにも野心的すぎた。目標を達成できない公算が大きい」とした上で、中国は誠意を示すため、輸入を増やすだろうとの見方を示した。

米中関係は新型コロナウイルスの流行などを背景に急激に悪化しているが、通商合意の目標を達成できなければ、関係が一段と悪化する可能性がある。

<原油>

米国産原油の輸入は、第1段階の通商合意の目玉になるとみられていた。

だが、新型コロナの流行に伴う燃料需要の激減と貨物運賃の急騰を受けて、米国産原油は、中国の製油業者にとって相対的に割高となった。

中国の今年上半期の米国産原油の輸入はわずか日量4万5603バレル。前年同期は日量8万5453バレルだった。

コンサルティング会社ウッドマッケンジーのリサーチ・ディレクター、スシャント・グプタ氏は、通商合意の目標を達成するには今年と来年、日量150万バレルの米国産原油を輸入する必要があると推計。

従来の推計では日量約100万バレルだったが、原油価格の下落を受けて推計値を上方修正した。

中国の製油業者は、米WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物価格が4月にマイナスになったことを受けて、米国産原油の購入を増やした。

リフィニティブのアナリスト、エマ・リー氏によると、7月の中国の米国産原油の輸入は日量94万バレル前後。8月は平均で日量101万バレルと、過去最高になる見通し。

ただ、精製マージンの低下と在庫拡大で第3・四半期中に輸入ペースが鈍るとみられている。

<LNGと石炭>

中国の今年上半期の米国産LNG輸入量は前年比で3倍以上の87万8754トンに達した。

だが、LNG価格の下落により、金額ベースでは前年比で2倍の増加にとどまった。エネルギー価格が低迷する中、金額ベースで高い目標を掲げたことが裏目に出たといえる。

冶金用石炭も同じ問題を抱えている。

北京のコンサルティング会社SIAエナジーのLi Yao最高経営責任者(CEO)は「政治的なリスクと強い不透明感が、中国の長期の石油・ガス購入を妨げる要因となっている」と指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア・ウクライナ復活祭停戦、発効数時間で双方が違

ワールド

米イラン協議決裂、核・ホルムズ海峡で溝埋まらず 停

ワールド

中国、台湾向け観光規制緩和など新措置 野党党首訪中

ビジネス

円高につながる金融政策、「一つの選択肢」=赤沢経産
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけない副作用に研究者が警鐘
  • 2
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦によって中国が「最大の勝者」となる理由
  • 3
    新しいアメリカンドリームは「国外移住」...5人に1人が海外を希望する時代
  • 4
    中国が恐れる「経済ドミノ」
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 9
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 10
    革命国家イラン、世襲への転落が招く「静かな崩壊」
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 8
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 9
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 10
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中