ニュース速報

ワールド

豪中銀、政策金利を予想通り据え置き 「不透明感が高い」

2020年07月07日(火)16時02分

 7月7日、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は、定例理事会を開き、オフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.25%に据え置いた。写真はシドニーで2017年2月撮影(2020年 ロイター/Steven Saphore)

[シドニー 7日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は7日、定例理事会を開き、オフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.25%に据え置いた。

また、必要な場合さらなる緩和の用意があるとの認識をあらためて示した。

ロイター調査ではアナリスト23人全員が金利据え置きを予想していた。金利変更は2021年末までないとみられている。

中銀は「必要とされる限り」緩和的なアプローチを維持すると表明。新型コロナウイルスの流行で停滞していた経済活動が予想より早く再開したことについて、慎重ながらも楽観的な見方を示した。

中銀のロウ総裁は声明で、国内経済が1930年代以来最大の落ち込みに見舞われていると指摘。

「しかし、最近になって状況は安定してきており、景気低迷は以前の予想ほど深刻ではなくなっている」とし「国内の総労働時間は5月も減少したが、減少幅は4月よりもかなり小さく、事前予想よりも小さかった。また、国内のほとんどの地域で感染の減少や規制の緩和を受 けて、個人消費にも持ち直しの動きが見られた」との見解を示した。

ただ、同国のビクトリア州のダニエル・アンドルーズ首相は6日、州内の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ニューサウスウェールズ(NSW)州との州境を7日から閉鎖すると発表した。[nL4N2ED109]

中銀は、最近の感染拡大については声明で言及せず、景気回復の内容やスピードは依然として「不透明感が高い」との認識を改めて示すにとどめた。

中銀は「今後もしばらくの間は、財政・金融支援が必要になると思われる」と主張。

「この緩和的なアプローチは必要とされる限り維持する。完全雇用に向けて進展があり、インフレ率が2─3%の目標値の範囲内で持続的に推移すると確信するまでは、キャッシュ・レートの目標値を引き上げない」と表明した。

豪政府は7月23日に発表する「ミニ予算声明」で財政刺激策を打ち出す予定。

グラント・サミュエル・ファンズ・マネジメントの投資ストラテジスト、スティーブン・ミラー氏は、中銀がこの財政刺激策に注目すると予想。「総裁が政府に対し、現在の支援規模を維持するか、最低でも支援措置の廃止を段階的なものにとどめるよう、個人的に求めているとしても驚きではない」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:サウジ皇太子擁護のトランプ氏、米の伝統的

ビジネス

午前のドルはドル157円前半でもみ合い、財務相の円

ワールド

対米投資、為替に影響ないよう「うまくやっていく」=

ビジネス

米クリーブランド連銀総裁、「やや制約的な政策を続け
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中