ニュース速報

ワールド

ユーロ圏財務相、コロナ経済対策で合意できず 9日に再協議

2020年04月08日(水)18時08分

 4月8日、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のセンテノ議長(ポルトガル財務相)は、コロナ対応での5000億ユーロ規模の経済対策をめぐる協議を、9日まで一時中断すると発表した。写真は同議長。ブリュッセルで昨年6月撮影(2020年 ロイター/Piroschka Van De Wouw)

[ブリュッセル 8日 ロイター] - ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のセンテノ議長(ポルトガル財務相)は8日、5000億ユーロ規模の新型コロナウイルス対策をめぐる協議を、9日まで一時中断すると発表した。意見の相違点を埋めるためという。

今回の協議は7日1430GMT(日本時間午後11時30分)に開始され、たびたびの休憩や二国間協議などを挟んで16時間に及んだが、突破口は見いだせなかった。同議長はツイッターに「合意には近づいたが、まだ達してはいない。協議を中断し、あす再開する」と投稿した。

当局者によると、各国政府への信用供与に付随する条件をめぐる、イタリアとオランダの意見の相違が行き詰まりの原因だという。

ある外交筋は「イタリアは回復に向けた手段の可能性の1つとして債務の共通化を将来的にさらに検討するような文言を望んでいるが、オランダは拒否している」と述べた。

共同債発行の是非をめぐっては、金融・ユーロ圏危機が始まった10年以上前から、スペインやイタリアといった経済的に弱い南部欧州とドイツやオランダなど経済的に強い北部欧州との間で対立が続いてきた。

協議に参加した当局者によると、8日0400GMT(日本時間午後1時)時点で、反対しているのはオランダ1国のみ。

ドイツのショルツ財務相はツイッターに「この難局に際し、欧州は一致協力して立ち向かわなければならない。したがって私は、ルメール仏経済・財務相らとともに、全ユーロ圏諸国に対し、全市民のために、財政面での問題解決を拒否せず妥協点を見出すよう呼びかける」と投稿した。

協議中の追加提案にはユーロ圏救済基金からのクレジットライン(与信枠)が含まれる。対象国の総生産の最大2%、あるいはトータルで2400億ユーロを上限とする金融支援で、この利用を巡る条件が協議行き詰まりの原因となっている。

欧州投資銀行(EIB)に対して250億ユーロを追加で保証し、企業向け融資をさらに2000億ユーロ拡大できるようにすることも選択肢だ。

また、労働者の賃金補填を巡る欧州委員会のプランへの支援のほか、医療用品やヘルスケアに助成する緊急援助基金の創設も提案されている。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中