ニュース速報

ワールド

米J&J、新型コロナワクチンの実用化は21年初に 政府とも連携

2020年03月31日(火)12時38分

米医薬品・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソンは30日、実験段階にある新型コロナウイルス用ワクチンの臨床試験を9月までに開始し、2021年初めには緊急使用許可を得られる可能性があると発表した。ニューヨーク証券取引所で昨年9月撮影(2020年 ロイター/Brendan McDermid)

[30日 ロイター] - 米医薬品・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は30日、新型コロナウイルスワクチンの有力候補を選定したとした上で、9月に臨床試験を開始すると発表した。当局の緊急使用許可を受けたうえで2021年初頭の実用化を目指す。

また、開発と並行してワクチンの生産能力を10億本以上まで引き上げるため、厚生省の生物医学先端研究開発局(BARDA)と共同で10億ドル出資すると表明した。J&Jの株価は30日の取引を8%高で終了した。

BARDAは、米バイオ医薬大手モデルナともワクチン大量供給に向け準備を進めることで合意。このほかに少なくとも2社と大量生産を巡る連携について協議していると明らかにした。モデルナは今月、ワクチン候補のごく早期の臨床試験を開始している。

米政府は製薬各社に対し、治験でワクチン候補の有効性が確認される以前に大量生産できる体制を整えるよう促してきた。

BARDAは、J&Jの大量生産への準備に約4億2000万ドル出資すると公表。モデルナにも同様の支援を行うが、額は明らかにしなかった。

モデルナの株価は1.4%高で引けた。

BARDAのディレクターを務めるリック・ブライト氏はロイターに対し、5ー6株のワクチンの開発を支援し、うち2ー3株の有効性が確認できると良いと話した。

専門家はこれまで、安全で有効なワクチンが当局に承認されるまでには1年から1年半の時間を要する可能性があると予想してきた。

ブライト氏は「政府と製薬業界は前例のない形で協業している」と指摘。「可能な限り迅速に取り組み、米国や世界が必要な分だけ早期に生産できるようにする」のが狙いだとした。

モデルナについては、同社が規模を拡大して治験を集中的に行えるよう、BARDAが生産を引き継ぐ考えだとした。米食品医薬品局(FDA)の基準を満たす生産や商品包装などの工程の確立を急ぎたいと語った。

J&Jの最高科学責任者、ポール・ストフェルズ氏はロイターに対し、ワクチン候補が有効だと示される前から生産能力を引き上げる必要があると強調、2021年初頭の実用化目標に「間に合わせるための唯一の選択肢だからだ」と述べた。ワクチンの有効性を証明するデータを年内にそろえるのも目標だとした。

同氏は、同社のオランダ工場は最大3億本のワクチン生産が可能だが、「世界にとって十分な量では全くない」とした。そのうえで、欧州やアジアの他の生産拠点で、開発中のワクチンの生産が可能な場所がないかを探っていると述べた。

ストフェルズ氏は、新たな新型コロナワクチンは、既に広く使われているエボラ熱ワクチンと同じ技術がベースとなると説明し、安全性が証明されると見込んでいると語った。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

モディ印首相、中国との「関係改善に尽力」 習主席と

ワールド

インドネシア大統領、訪中取りやめ 首都デモが各地に

ビジネス

中国製造業PMI、8月は5カ月連続縮小 内需さえず

ワールド

ロシア軍参謀総長、前線で攻勢主張 春以降に3500
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 5
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 6
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 7
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    「体を動かすと頭が冴える」は気のせいじゃなかった⋯…
  • 10
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 7
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 10
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中