ニュース速報

ワールド

新型ウイルス、「最大の敵」とWHO 中国の専門家は4月終息を予想

2020年02月12日(水)07時36分

 2月11日、世界保健機関(WHO)は新型ウイルスの感染拡大が世界に及ぼす影響はテロリズムを超える恐れがあるとして一段の警戒を呼び掛けた。写真はテドロスWHO事務局長。11日スイスで撮影。(REUTERS/Denis Balibouse)

[広州(中国)/ジュネーブ 11日 ロイター] - 新型コロナウイルスによる肺炎の累計の死者数が中国で1000人を超える中、世界保健機関(WHO)は新型ウイルスの感染拡大が世界に及ぼす影響はテロリズムを超える恐れがあるとして一段の警戒を呼び掛けた。

WHOのテドロス事務局長は11日、新型ウイルスの感染拡大は「世界全体に非常に重大な脅威」を及ぼすとし、「世界は目を覚まし、このウイルスを最大の敵だと認識する必要がある」と指摘。新型ウイルスの正式名称が「COVID─19」に決定されたことを明らかにすると同時に、1年半以内に新型コロナウイルスのワクチンの用意が整う可能性があるとの見通しを示した。

感染症研究の第一人者で中国政府の専門家チームを率いる鐘南山氏はロイターのインタビューに応じ、中国国内における新型コロナウイルスの流行は2月にピークを迎え、4月ごろに終息する可能性があると予想。「今月の半ばか下旬にピークを迎える可能性がある。その後はやや横ばいのような状態になり、それから収まるだろう」とし、「4月ごろに終息すると望んでいる」と述べた。

鐘氏によると、中国国内の一部地域では既に状況が改善しており、新たな感染件数は減少している。

WHOによると、中国の死者数は1017人、感染者数は4万2708人。中国本土以外では24カ国・地域で319件の感染が確認された。中国本土外の死者数は香港とフィリピンでそれぞれ1人ずつと、合わせて2人となっている。

中国の統計によると、新型ウイルス感染の死亡率は約2%で、死亡した人の多くは高齢者、もしくは既往症を持った人たちだった。

新型ウイルスの感染拡大が経済に及ぼす影響についても懸念が広がっており、この日は米セントルイス地区連銀のブラード総裁が講演で、中国経済は新型コロナウイルス感染拡大への対応措置により今年上半期は「目に見えて減速する」との見方を表明。新型ウイルスの封じ込めに向け中国政府が打ち出した対策はかなりの規模で、これにより中国の今年上半期の経済成長は、こうした対策がない状態と比べ、目に見えて減速する」と述べた。

このほか、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長もこの日の議会証言で、米経済済見通しに対し前向きな見方を示しながらも中国が発生源となっている新型コロナウイルスの感染拡大などに懸念を表明した。

銀行筋によると、新型ウイルス感染拡大による影響に対応するため、中国では300社を超える企業が合計574億元(82億ドル)の融資を申請。

JPモルガンは第1・四半期の中国の成長率見通しを下方修正したほか、ノルウェーのエネルギーコンサルティング会社、ライスタッド・エナジーは新型ウイルス感染拡大で世界的な原油需要は今年は約25%減少するとの見通しを示した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:FRB次期議長指名手続きが異例の遅れ、高

ワールド

イランによる先制攻撃の兆候なかった、米国防総省が議

ビジネス

焦点:中東戦争、市場は想定以上の混乱覚悟 

ビジネス

インドネシア中銀、市場動向を注視 中東紛争受け=当
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    ドバイの空港・ホテルに被害 イランが湾岸諸国に報復攻撃、民間インフラも対象に
  • 4
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 5
    「本当にテイラー?」「メイクの力が大きい...」テイ…
  • 6
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 7
    【銘柄】「三菱重工業」の株価上昇はどこまで続く...…
  • 8
    【銘柄】「ファナック」は新時代の主役か...フィジカ…
  • 9
    「高市大勝」に中国人が見せた意外な反応
  • 10
    米・イスラエルの「イラン攻撃」受け、航空各社が中…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 5
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 8
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 9
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 10
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中