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香港行政長官、住宅不足緩和措置を公表 民間から用地取得へ

2019年10月17日(木)00時20分

 10月16日、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官(写真)は、動画配信された施政方針演説で、長引く抗議デモへの対応として、住宅不足の解消に向けた措置を打ち出した。写真は香港で撮影(2019年 ロイター/Tyrone Siu)

[香港 16日 ロイター] - 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は16日、施政方針演説を動画で配信し、長引く抗議デモへの対応として住宅不足の解消に向けた措置を打ち出した。

長官はこの日、3回目となる施政方針演説に臨んだが、開始後に民主派議員がデモ隊のスローガンにもなっている「一つも欠けることない5大要求」と叫んで妨害、中断を余儀なくされた。

その後に配信された演説で、香港政府は住宅事業を劇的に増やし、公共住宅の販売を加速すると表明。香港では不動産価格の高騰が若者を中心に国民の怒りを買っており、デモの一因になったと考えられている。

長官によると、土地収用条例に基づき、新界地区にある民間所有地約700ヘクタールを取得する計画で、これに加えて450ヘクタールも収用する予定だという。

香港の有力な不動産開発業者からの用地取得は、ここ数年で最も大胆な措置の1つとなる。政府の推計によると、恒基兆業地産(ヘンダーソンランド)や新世界発展(ニューワールド・デベロップメント)、新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ)といった不動産大手は1000ヘクタール以上の農地を抱えているという。

長官は「さまざまな所得層の人々が住宅を保有する機会を生み出し、香港で幸せに暮らせるようにする決意だ」と表明。「すべての香港市民とその家族が住宅問題にこれ以上悩まないよう、香港に自分たちの住宅を持てるようにするという明確な目標をここに掲げる」と述べた。

長官はすべての不動産開発業者に協力を要請。具体的にどのように作業を進めるのかについて、これ以上の詳細は明らかにしなかった。

発表を受け、香港株式市場では、不動産株指数が2%以上値上がりした。

香港では1997年の中国返還前、政府が土地所有者に補償をした上で公共のために土地を活用することが度々あったが、中国返還後に、民間の不動産開発業者からの土地収容を実現した行政長官はいない。

長官は「一国二制度」を支持するとも表明。香港経済は低迷しており、短期的に人員削減の圧力が強まっているとの認識も示した。

その後の記者会見では、抗議運動の一部メンバーと「非公開」会合を実施したとし、混乱が収まれば一段の話し合いに応じる考えを示した。

一方、民主派議員の陳淑莊氏は記者団に対し「長官の両手は血に染まっている」として辞任すべきと強調。香港の民主派団体「民間人権陣線」も声明で「林鄭月娥氏に対し、香港の破壊を止め、5大要求に対応し、辞任することを求める」とした。

*内容を追加しました。

ロイター
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