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トランプ米大統領、ロシア疑惑捜査に関連した情報の公開を指示

2018年09月18日(火)11時44分

 9月17日、トランプ米大統領(写真)は、2016年の米大統領選へのロシアの介入疑惑を巡る捜査に関連した追加情報について、機密扱いを直ちに解除するよう司法省に指示した。写真はワシントンで11日撮影(2018年 ロイター/Leah Millis)

[ワシントン 17日 ロイター] - トランプ米大統領は、2016年の米大統領選へのロシアの介入疑惑を巡る捜査に関連した追加情報について、機密扱いを直ちに解除するよう司法省に指示した。ホワイトハウスが17日に発表した。

トランプ氏と同氏に近い共和党議員らは、司法省がロシア疑惑に関して中立性に欠く捜査を展開していると主張しており、今回の情報公開指示によって対決姿勢を一層鮮明にした。

トランプ氏が司法省と国家情報長官に公開を求めた文書には、大統領選でトランプ陣営の顧問を務めたカーター・ペイジ氏の監視に向けて米連邦捜査局(FBI)が裁判所に提出した令状請求で、FBIがまだ公表していない部分のうち20ページが対象。

また、ホワイトハウスのサンダース報道官の声明によると、ロシア疑惑捜査に関してFBIが司法省職員のブルース・オア氏に聴取を行った際の報告書やペイジ氏の監視令状請求に関する聴取の報告書も含まれる。

これに加え、トランプ氏は司法省に対し、コミー前FBI長官やマケイブ元FBI副長官などによるロシア疑惑捜査に関するテキストメッセージを未編集のままで公開するよう指示した。

トランプ氏はコミー氏を2017年5月に解任。セッションズ司法長官はマケイブ氏を今年3月に解任している。

FBIの報道官はトランプ氏の指示についてコメントを差し控えた。司法省は指示に応じるために取り組んでいるとコメントした。

ただ、この手続きに詳しい1人の関係筋は、司法省とFBIはともに、機密扱いの解除を今回のケースにどのように当てはめるかについて全く見当がつかない状態だと明らかにしており、トランプ氏の指示は想定外だった可能性を示している。

下院情報特別委員会の民主党トップであるアダム・シフ議員は「トランプ大統領は自身の弁護団を有利に導き、誤った主張を後押しするとみなす文書の選択的公表を指示することで法執行機関の捜査への介入を決定し、明確に職権を乱用した」と厳しく批判。

一方、共和党のマット・ガエッツ下院議員は、情報公開によって「司法省とFBIの最高レベルで起きた組織的な腐敗と偏向の一部が明るみに出ることになる」として大統領の指示を称賛。「米情報機関が有する手段を党派政治上の目的を果たすために使った」ことが含まれるとした。

*写真を差し替えました。

ロイター
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