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シリア化学兵器調査巡り米ロが衝突、英米首脳は責任追及で一致

4月10日、国連安全保障理事会はシリアの反体制派地域で化学兵器が使用された疑いが出ていることを受け、調査実施に向けた決議案の採決を実施したが、ロシアが拒否権を行使し、否決された。 写真は8日、シリア東グータ地区の町ドゥーマで化学兵器とみられる攻撃を受けた男性。ロイターTVが入手した提供映像より(2018年 ロイター White Helmets/Reuters TV via REUTERS)
[国連 10日 ロイター] - 国連安全保障理事会は10日、シリアの反体制派地域である東グータ地区で今月7日に化学兵器が使用された疑いが出ていることを受け、調査実施に向けて米国が策定した決議案の採決を実施したが、ロシアが拒否権を行使し、否決された。
安保理メンバーのうち12カ国が賛成したが、ロシアに加えボリビアが反対し、中国は棄権した。決議案の成立には賛成票9票、もしくはロシア、中国、フランス、英国、米国の5カ国から1国も反対が出ないことが条件となる。
米国のヘイリー国連大使は決議案の採決前、「今回の攻撃に対し国連安保理が実施できる最低限の措置となる」と述べていた。
また、安保理は同日、ロシア自身が策定した国際化学兵器監視機関の調査団派遣に支持を表明する決議案も否決。同日採決されたシリア関連の決議案はこれが3件目で、いずれも否決された。
化学兵器禁止機関(OPCW)は10日、シリアの反体制派地域である東グータ地区の町ドゥーマに、調査団を派遣すると明らかにした。同地で化学兵器が使用されたとの報告があり、60人が死亡している。
<米英首脳、行動の必要性で一致>
一方、メイ英首相とトランプ米大統領は10日、シリアの化学兵器使用疑惑について電話会談し、関係者の責任を問うため世界が行動を起こす必要性について一致した。
英首相官邸によると、両首脳は化学兵器の使用が「徹底的に非難されるべき」との見方を共有。両国が世界の同盟国とも緊密に連携し、責任者を追及していく方針で一致した。
米ホワイトハウスは、両首脳が「化学兵器の使用が続くのを許さない」ことで合意したと説明した。
メイ首相はこの日、フランスのマクロン大統領とも電話で会談し、同様の考えで一致している。
トランプ政権はシリアのアサド政権に対する共同軍事攻撃を検討している。米国が軍事攻撃の拡大を決めた場合、英国も参加するかとの記者の質問に対し、メイ首相は明言を避けた。
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