ニュース速報

ビジネス

シンガポール中銀、金融政策据え置き 年4回見直しに移行へ

2023年10月13日(金)11時55分

シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は13日、市場の予想通り金融政策を据え置いた。写真は、1シンガポールドル硬貨。2010年4月13日に撮影。(2023年 ロイター/Tim Chong )

Xinghui Kok

[シンガポール 13日 ロイター] - シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は13日、市場の予想通り金融政策を据え置いた。これまで半期に一度だった金融政策声明の発表を来年から四半期ごとに変更する方針も明らかにした。

MASは「シンガポールドル名目実効為替レート(SドルNEER)」として知られる政策バンドの3つのレバー(傾き、中央値、幅)を通じて政策を調整している。今回、政策バンドの上昇率(傾き)を引き続き実勢水準で維持し、変動幅と中央値は変更しないとした。

声明で「対外見通しに対し、シンガポール経済の見通しは短期的に弱いが、2024年後半には徐々に改善する見込み」とした。

金融政策発表の頻度を高める一環で、今後は1月、4月、7月、10月に政策を見直す。従来は4月と10月に行っていた。

メイバンクのエコノミスト、チュア・ハク・ビン氏は「MASは金融政策が短期ではなく中期的なスタンスだと常に強調してきたことから、四半期ごとの(政策)見直しへの移行はサプライズだ」と述べた。その上で、より頻繁な見直しはコミュニケーションの改善や政策の透明性向上につながるとして歓迎。「より不安定な為替変動や他の中銀の頻繁な政策金利変更を受けた対応かもしれない」と述べた。

OCBCのエコノミスト、セレナ・リン氏は、世界経済と地政学的状況の変化を反映した措置だと指摘。半期に一度の頻度を巡っては、特に危機の際など過去にも、柔軟な方針転換が可能かどうか議論されてきたと語った。

MASは今年4月に政策を据え置く前、5回連続で金融引き締めを行ったが、うち2回は昨年の臨時会合で決定した。

シンガポール貿易産業省が13日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前年同期比0.7%増と、市場予想の0.4%増を上回った。

インフレ率は今年1、2月に5.5%と14年ぶり高水準を記録したが、8月には3.4%まで鈍化した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英サービスPMI、4月は50割れ 新規受注と雇用が

ワールド

独首相指名選挙、メルツ氏は造反で選出されず 連立に

ビジネス

仏サービスPMI、4月47.3に低下 新規受注減少

ビジネス

テスラ、4月英販売台数2年ぶり低水準 欧州で逆風
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗と思え...できる管理職は何と言われる?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 5
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    背を向け逃げる男性をホッキョクグマが猛追...北極圏…
  • 8
    分かり合えなかったあの兄を、一刻も早く持ち運べる…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 4
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 6
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中