ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=続落、雇用統計受け アップルの下げが圧迫

2023年08月05日(土)06時16分

米国株式市場は続落。相場は午前の取引で上昇していたものの、引けにかけ下げに転じた。昨年2月、ニューヨークで撮影(2023年 ロイター/Caitlin Ochs/File Photo)

[4日 ロイター] - 米国株式市場は続落。相場は午前の取引で上昇していたものの、引けにかけ下げに転じた。労働市場の減速を示唆する7月の米雇用統計が材料視された。前日引け後に発表した決算への失望感からアップルが売られ、S&P総合500種を圧迫した。

アップルは4.8%安と、1日としては昨年9月29日以来の大幅な下げを記録した。3日発表した第3・四半期(7月1日まで)決算は、iPhoneの売上高が減少したものの、売上高と利益は市場予想を上回った。しかし、今期も減収が続くとの見通しを示したことが嫌気された。

一方、アマゾン・ドット・コムは8.3%高。3日発表した第2・四半期の業績、および第3・四半期売上高見通しは市場予想を上回った。

AXSインベストメンツのグレッグ・バスク最高経営責任者(CEO)は「全体として経済も企業業績も8月に向けて良い方向に向かっているように見えるが、これら大手企業は投資家の不安をかき立てる可能性がある」と指摘した。

アマゾンの業績を受け、マイクロソフトは0.3%高。

米労働省が4日発表した7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は18万7000人増と、伸びは市場予想を下回った。失業率は3.5%と、前月の3.6%から低下した。また、賃金は前月比0.4%上昇と前月と同水準となったほか、前年比では依然高く4.4%上昇となった。

前出のバスク氏は「地政学的な懸念、ウクライナ戦争、中国に絡む問題など、依然かなりの不確実性が存在する」とし、この日の下落について「一段の下方サプライズに備えポジションを整える動きによるところが大きい」と述べた。

また、雇用統計を受け米10年債利回りが低下し、太型株の一角を押し上げた。

物言う株主として知られる米投資家カール・アイカーン氏の投資会社アイカーン・エンタープライゼズ(IEP)は23.3%急落。配当金を半減するとの発表が嫌気された。

主要株価3指数は週足で軒並み下落。S&Pとナスダック総合の週間下落率は3月以来の大きさとなった。

米取引所の合算出来高は113億9000万株。直近20営業日の平均は108億7000万株。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.22対1の比率で上回った。ナスダックでは1.14対1で値下がり銘柄が多かった。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

デンマーク首相、首都中心部で襲われる 男を逮捕

ワールド

焦点:フランスのムスリム系学校、イスラム主義締め付

ワールド

アングル:肥満症治療薬、有望市場の中国で競争激化の

ビジネス

米国株式市場=小幅安、雇用統計は堅調 9月利下げ観
MAGAZINE
特集:ウクライナの日本人
特集:ウクライナの日本人
2024年6月11日号(6/ 4発売)

義勇兵、ボランティア、長期の在住者......。銃弾が飛び交う異国に彼らが滞在し続ける理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らかに ヒト以外で確認されたのは初めて

  • 2

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車が、平原進むロシアの装甲車2台を「爆破」する決定的瞬間

  • 3

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 4

    【独自】YOSHIKIが語る、世界に挑戦できる人材の本質…

  • 5

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 6

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 7

    正義感の源は「はらわた」にあり!?... 腸内細菌が…

  • 8

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…

  • 9

    「私、息子を許せません」...16歳の息子が「父親」に…

  • 10

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 3

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が34歳の誕生日を愛娘と祝う...公式写真が話題に

  • 4

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 5

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 6

    キャサリン妃「お気に入りブランド」廃業の衝撃...「…

  • 7

    「サルミアッキ」猫の秘密...遺伝子変異が生んだ新た…

  • 8

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らか…

  • 9

    アメリカで話題、意識高い系へのカウンター「贅沢品…

  • 10

    「自閉症をポジティブに語ろう」の風潮はつらい...母…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 4

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 8

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 9

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 10

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中