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中国の投資信託、個人の敬遠姿勢が鮮明に 景気失速で株式に弱気

6月9日、中国の投資信託が個人投資家を引きつけるのに苦労している。写真は2016年2月、上海で撮影(2023年 ロイター/Aly Song)
[香港 9日 ロイター] - 中国の投資信託が個人投資家を引きつけるのに苦労している。今年1─5月の資金流入額は過去4年間で最低となっており、リターン減や経済的困難に見舞われる中、近いうちの回復を見込む向きもほとんどいない。
2億人以上の中国個人投資家は景気失速や失業率上昇を背景として株式に弱気となっており、代わりに預金や国債などの安全資産に資金を振り向けている。
ファンド業界のコンサルティング会社Zベン・アドバイザーズがまとめたデータによると、新規設定ファンドの1─5月の資金流入額は計4321億元(610億ドル)で、2019年の同期以降で最も少なかった。
中国の株価が低迷する中、華夏基金のオンライン販売担当ディレクター、焦金媛氏は「資産効果が改善されるまで顧客心理は好転しそうにない」と述べた。
また、複数のファンドマネジャーによると、過去数年のピーク時に投資した多くの個人投資家は損失を抱え込んでおり、それが新たな投資に対して悲観的にさせている。
過去2年間に株式ファンドは平均で20─30%の累積損失を積み上げたと業界関係者は推計している。
上海に拠点を置くZベン・アドバイザーズのアナリスト、エミリー・ガオ氏は「アクティブな株式商品に対する需要が特に低迷している」と語った。