ニュース速報

ビジネス

訂正-JPX総研が「プライム150」銘柄を公表、トヨタは選ばれず

2023年05月26日(金)19時42分

5月26日、 東証は東証プライム市場の時価総額上位銘柄を対象にした新指数「JPXプライム150指数」の算出ルールと構成銘柄のリストを公表した。東証で2020年10月撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

(見出しとリードの「東証」を「JPX総研」に訂正します。また、発表者側の訂正により、9段落目の業種内から「鉄鋼」を削除します。)

[東京 26日 ロイター] - 日本取引所グループのJPX総研(訂正)は26日、東証プライム市場の時価総額上位銘柄を対象にした新指数「JPXプライム150指数」の算出ルールと構成銘柄のリストを公表した。資本収益性と市場評価の2つの観点から、価値創造が推定される日本を代表する企業として選び出し、指数化する。一方、日本を代表する企業とされるトヨタ自動車は、構成銘柄に選ばれなかった。

新指数は、基準日のプライム市場での時価総額500社を抽出した上で「エクイティ・スプレッド基準」と「株価純資産倍率(PBR)基準」に基づいて、それぞれ75社を選定し、計150銘柄を構成銘柄とする。

東証は「日本を代表する価値創造企業を『見える化』し、指数や構成銘柄が投資対象となることで、価値創造経営の浸透、日本株市場の魅力向上への寄与を目指す」と説明している。7月3日からリアルタイムで算出・配信する予定。

エクイティ・スプレッドは、株主資本利益率(ROE)と株主資本コスト(投資社の期待リターン)の差で表される。当期と一期前の推定エクイティ・スプレッドが正の値でROEが8%を超える銘柄の上位75銘柄がこの基準で選ばれる。

一方、PBR基準では、エクイティ・スプレッド基準で選ばれた銘柄を除いて、当期のPBRと、当期と一期前のPBRの平均値がいずれも1倍超の銘柄のうち、上場時価総額上位75銘柄を選ぶ。

<代表的銘柄でも選ばれず>

構成銘柄には、ファーストリテイリングや東京エレクトロン、ソニーグループなどが選ばれた一方、トヨタやホンダ、ソフトバンクグループなどは選ばれなかった。

事前の市場予想ではPBRが1倍を下回るトヨタなども含むとの見方もあったが「日本を代表する銘柄でも対象から外れたことは、指数の透明性が担保される」と、ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは指摘している。一方、「株主資本コストは本来、個別企業ごとに異なる。ROE8%超を一律で適用するのには疑問が残る」とも話しており、先行きの指数の見直しに期待を示した。

個別銘柄のウエート上位(16日時点)は、ソニーGの5.6%、キーエンスの4.2%、NTTの3.3、第一三共の2.6%、武田薬品工業の2.5%などとなっている。

業種別では、TOPIXに比べ、電気機器や医薬品、情報通信のウエートが高い一方、輸送用機器、不動産などは低い。採用銘柄のない業種は、水産・農林、鉱業、金属製品、パルプ・紙、非鉄金属、銀行、証券、倉庫・運用関連、電気・ガス。

定期入れ替えは年1回、8月の最終営業日に行う。23年8月は実施せず、初回は24年8月となる。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中