ニュース速報

ビジネス

アングル:チャットGPT人気につられ中国でAI関連株活況、完全な期待先行か

2023年02月08日(水)09時01分

 最近の中国本土株式市場で、人工知能(AI)関連株が大変な活況を呈している。写真は2020年1月、北京で撮影(2023年 ロイター/Jason Lee)

[上海 7日 ロイター] - 最近の中国本土株式市場で、人工知能(AI)関連株が大変な活況を呈している。きっかけは、米マイクロソフトが出資する新興企業オープンAIが開発した自動応答ソフト(チャットボット)の「チャットGPT」。世界中でチャットGPTはコンピューター技術に革命をもたらすのではないかとの期待が盛り上がり、その熱気が中国にも波及した格好だ。

チャットGPTは公開からたった2カ月だが、歴史上最も急速に普及した消費者向けアプリに認定され、グーグル親会社アルファベットも対抗してチャットボットを近く利用できるようにすると表明するなど、業界に波紋を広げている。

中国ではチャットGPTは利用できない。それでも本土投資家は漢王科技やTRS信息技術、雲従科技といったAI関連銘柄を押し上げた。実際、科大訊飛などより時価総額の大きい銘柄を含むCSI・AI産業指数は年初来の上昇率が約17%と、本土株の主要銘柄で構成されるCSI300指数の6%よりも高い。

これらの企業が、チャットGPTのような製品を間もなく投入できる段階にあることを示す材料は見当たらない。商用化に最も近い位置にいるのは百度(バイドゥ)で、チャットボット「文心一言(アーニー・ボット)」の内部試験を3月に完了する。7日のこの発表後、百度の株価は15%余りも跳ね上がった。

北京格雷資産管理の幹部はこのような株価高騰について「AI業界は全体として期待先行になりがちだ」と指摘した。

例えば漢王科技の株価は、7日に値幅制限いっぱいの10%上昇。春節(旧正月)休み明けから7営業日連続でストップ高となっており、2月に入ってからの上昇率は60%を超える。

同社の2022年決算は赤字が予想されるが、チャットGPTのような対話ソフト開発では、より正確な回答を生み出せる技術を持っている点で有利だとみられている。

TRS信息技術と北京海天瑞声科技もそれぞれ活発に買われ、株価収益率(PER)が60倍弱と240倍強に達した。

雲従科技の株価は7日こそ5.5%安だったものの、春節明け以後の7営業日で2倍近く上がった。ただ同社はこの日、オープンAIと提携関係にはなくチャットGPT関連のサービスや製品で収入は得ていないと投資家にくぎを刺した。

TRSと科大訊飛の株を購入したという個人投資家の1人は「チャットGPTは話題沸騰中のアイデアの1つにすぎない」と語り、自身は中国がすぐにも本当にこうした技術を実現できるとは思っておらず、単にこの地合いに乗っかって手っ取り早くもうけを手にしたいだけだと付け加えた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア・ウクライナ復活祭停戦、発効数時間で双方が違

ワールド

米イラン協議決裂、核・ホルムズ海峡で溝埋まらず 停

ワールド

中国、台湾向け観光規制緩和など新措置 野党党首訪中

ビジネス

円高につながる金融政策、「一つの選択肢」=赤沢経産
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけない副作用に研究者が警鐘
  • 2
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦によって中国が「最大の勝者」となる理由
  • 3
    新しいアメリカンドリームは「国外移住」...5人に1人が海外を希望する時代
  • 4
    中国が恐れる「経済ドミノ」
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 9
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 10
    革命国家イラン、世襲への転落が招く「静かな崩壊」
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 8
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 9
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 10
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中