ニュース速報

ビジネス

GSKやファイザーなど4社、米連邦地裁の「ザンタック」訴訟で勝訴

2022年12月07日(水)14時21分

 12月6日、製薬大手、英グラクソ・スミスクライン(GSK)、米ファイザー、仏サノフィ、独ベーリンガーインゲルハイムの胃炎・消化性潰瘍治療薬「ザンタック」が原因でがんになったとして利用者らが4社を訴えていた裁判で、米フロリダ州の連邦地裁は6日、十分な科学的根拠に基づいていないとして訴えを退けた。写真はファイザーのロゴ。ベルギーのプールスで2日撮影(2022年 ロイター/Johanna Geron)

[6日 ロイター] - 製薬大手、英グラクソ・スミスクライン(GSK)、米ファイザー、仏サノフィ、独ベーリンガーインゲルハイムの胃炎・消化性潰瘍治療薬「ザンタック」が原因でがんになったとして利用者らが4社を訴えていた裁判で、米フロリダ州の連邦地裁は6日、十分な科学的根拠に基づいていないとして訴えを退けた。

同連邦地裁は、米国各地の連邦地裁に出されていた同様の訴訟、約5万件を一元的に扱っており、4社は連邦地裁での訴訟を全て切り抜けた格好。ただ、この他に州の地裁に出されている数万件の訴訟の行方には、今回の判決は直接関係しない。州裁での審理は来年2月のカリフォルニア州を皮切りに始まる予定。

原告団の弁護士は共同声明を出し、控訴する方針を示した。

ザンタックは1983年に承認され、1988年には世界で最も売れた医薬品となった。

2019年には、ザンタックの有効成分、ラニチジン塩酸塩が経年劣化により発がん性物質のNDMAを形成するとの懸念から、一部メーカーと薬局が販売を中止。米食品医薬品局(FDA)は20年、ザンタックとそのジェネリック(後発)医薬品全てを市場から撤去するよう要求した。

撤去開始直後、ザンタックを服用した後にがんを患ったとする訴訟が大量に起こされた。

フロリダ州連邦地裁の判事は、原告が利用しようとしている専門家の証言は「信頼できない方法を体系的に利用」しているなどとして、法廷では認められないと説明した。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

シリアで米兵ら3人死亡、ISの攻撃か トランプ氏が

ワールド

タイ首相、カンボジアとの戦闘継続を表明

ワールド

ベラルーシ、平和賞受賞者や邦人ら123人釈放 米が

ワールド

アングル:ブラジルのコーヒー農家、気候変動でロブス
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 9
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 10
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中