ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、FRBの利上げ巡る懸念が再燃

2022年12月06日(火)07時28分

米国株式市場は下落して取引を終えた。11月15日、ニューヨークで撮影(2022年 ロイター/Brendan McDermid)

[5日 ロイター] - 米国株式市場は下落して取引を終えた。サービス部門の指標が市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが長期化するのではないかという懸念が再燃した。また、中国で生産を削減するとの報道を受け、電気自動車(EV)大手テスラが売られた。

関係筋によると、テスラは上海工場の12月の「モデルY」生産を前月比で20%以上削減する。

テスラ株は6.4%下落。テクノロジー株が中心のナスダック総合を押し下げ、同指数は2営業日続落した。

米供給管理協会(ISM)が5日発表した11月の非製造業総合指数(NMI)は56.5と、予想外に上昇。内訳の雇用も改善し、来年に景気後退が懸念される中でも米経済の基調的な勢いを示した。

前週発表された11月の雇用統計も予想を上回っており、ISMのデータは主要株価3指数を圧迫。インフレ鈍化の兆しを受けて広がっていた米利上げペース減速への期待を後退させた。

ドルーリー・キャピタルのバーナード・ドルーリー最高経営責任者(CEO)はパウエルFRB議長が先週、利上げペースを減速させる時期が来たと発言したことに言及し、「きょうの取引は2日に発表された雇用統計に若干反応したとみられる。雇用統計は経済がそれほど減速していないことを示し、パウエル氏のメッセージに反する内容となったからだ」と指摘。市場でインフレ警戒ムードが再燃したと話した。

S&P総合500種の主要セクターではエネルギーが2.9%安と下げがきつかった。気象予測やプラント再稼働の遅延で見通しが悪化し、米天然ガス先物が10%超下落したことに圧迫された。

米天然ガス生産大手EQTは7.2%下落し、エネルギー指数を押し下げた。

金融株も2.5%安と下げが目立った。金融機関は通常、金利上昇によって利益が押し上げられるが、景気減速の中で不良債権や融資の伸び鈍化が懸念された。

アパレル・フットウエアメーカーのVFコープは11.2%下げ、2020年3月以来の大幅安となった。スティーブ・レンドルCEOの突然の退任を発表したほか、消費者需要が予想よりも弱いとして通期の売上高・利益見通しを下方修正した。

米取引所の合算出来高は107億8000万株。直近20営業日の平均は110億4000万株だった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 33947.10 -482.78 -1.40 34335.73 34335.73 33846.81

前営業日終値 34429.88

ナスダック総合 11239.94 -221.56 -1.93 11380.99 11425.51 11193.03

前営業日終値 11461.50

S&P総合500種 3998.84 -72.86 -1.79 4052.02 4052.45 3984.49

前営業日終値 4071.70

ダウ輸送株20種 14048.18 -472.78 -3.26

ダウ公共株15種 970.23 -5.56 -0.57

フィラデルフィア半導体 2738.05 -33.19 -1.20

VIX指数 20.75 +1.69 +8.87

S&P一般消費財 1096.92 -33.37 -2.95

S&P素材 515.03 -10.25 -1.95

S&P工業 848.65 -14.72 -1.70

S&P主要消費財 794.23 -9.66 -1.20

S&P金融 580.68 -14.88 -2.50

S&P不動産 239.84 -4.19 -1.72

S&Pエネルギー 667.01 -20.19 -2.94

S&Pヘルスケア 1610.11 -16.07 -0.99

S&P通信サービス 170.94 -2.61 -1.50

S&P情報技術 2321.54 -39.08 -1.66

S&P公益事業 356.75 -2.14 -0.60

NYSE出来高 9.58億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 27680 - 160 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 27685 - 155 大阪比

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

タイとカンボジアが停戦に合意=カンボジア国防省

ビジネス

NY外為市場=円が軟化、介入警戒続く

ビジネス

米国株式市場=横ばい、AI・貴金属関連が高い

ワールド

米航空会社、北東部の暴風雪警報で1000便超欠航
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中