ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は3日続落、ハイテク銘柄の下落が重し

2022年11月29日(火)12時04分

午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比163円01銭安の2万7999円82銭と、3日続落した。写真は東証、2020年10月撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 29日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比163円01銭安の2万7999円82銭と、3日続落した。前日の米株安を嫌気する形で日経平均は軟調な展開が続いた。特に半導体関連や電子部品関連などハイテク銘柄の下落が目立ち、重しとなった。一方、内需株は底堅さもみられ、相場を下支えした。

前日の米株市場では主要3指数がそろって下落。この流れを引き継いで、日本株は寄り付きから170円安と、売り先行でスタートした。28日の米市場でアップルが大幅安となったことを嫌気して、関連銘柄で売りが広がった。

日経平均は一時、前営業日比約260円安の2万7899円98銭まで下落したが、前場引けにかけては下げ幅が縮小。中国でゼロコロナ政策に対する反発が強まっており、アジア株の動向に注目が集まっていたが、アジア株がプラス圏で底堅い展開となったことが日本株を下支えした。

物色動向としては、インバウンドの回復期待が根強く、陸運株、空運株など内需株がしっかりだった。

市場では、中国発のリスクへの警戒感が高まっているとの見方がある。きょうの東京市場では、アップル関連銘柄とされる村田製作所、太陽誘電などが下落したが、「今後の中国の動向次第ではファナックやオムロンなど、中国への設備投資が大きい企業群で売り圧力が強まる可能性もある」(国内運用会社・ポートフォリオマネージャー)との声が聞かれた。

一方、マーケット参加者の関心は引き続き米金融政策動向に集まっている。T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー・浪岡宏氏は、前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨からはハト派的な印象があった一方、足元の米連邦準備理事会(FRB)高官発言はタカ派的な内容が確認されるとして、「米金融政策の先行きが読みづらくなっている」と指摘。米国時間の30日に控えるパウエルFRB議長の講演での発言が注目されるという。

目先の日経平均については来月のFOMCまで方向感が出づらく、「足元は2万8000円台で様子見ムードが続きそうだ」と、浪岡氏は話した。

TOPIXは0.61%安の1992.23ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆3603億2400万円だった。東証33業種では、保険業、銀行業、空運業など6業種が値上がり。金属製品、輸送用機器、機械など27業種は値下がりした。

個別では、エーザイが9%安と急落。同社が米医薬品バイオジェンと共同開発するアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の治験で2例目の死亡が報告されたとのリポートをサイエンス誌が掲載し、嫌気された。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが433銘柄(23%)、値下がりが1338銘柄(72%)、変わらずが64銘柄(3%)だった。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:米株のテック依存、「ITバブル期」上回る

ビジネス

午後3時のドルは153円前半、1週間ぶり安値から反

ビジネス

三菱重、今期の受注高見通し6.1兆円に上積み エナ

ビジネス

三菱重社長「具体的な話は聞いていない」、対米投融資
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 6
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 9
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中