ニュース速報

ビジネス

世界のリセッション回避に「懐疑的」=世銀チーフエコノミスト

2022年06月30日(木)00時34分

世界銀行のチーフエコノミスト、カーメン・ラインハート氏は、急伸するインフレや急激な金利上昇、中国の成長鈍化を考慮すると米国および世界各国がリセッション(景気後退)を回避できるかどうかは懐疑的だと述べた。(2022年 ロイター/Johannes P. Christo)

[マドリード 29日 ロイター] - 世界銀行のチーフエコノミスト、カーメン・ラインハート氏は、急伸するインフレや急激な金利上昇、中国の成長鈍化を考慮すると米国および世界各国がリセッション(景気後退)を回避できるかどうかは懐疑的だと述べた。

ロイターとのリモートインタビューで、インフレ抑制とソフトランディング(軟着陸)を同時に実現することは歴史的に見て難しく、リセッションのリスクが現時点での「ホットな話題」であることは明らかと指摘。米連邦準備理事会(FRB)による利上げなどに言及し「あらゆるリスクが下向きに積み重なっていることを皆が懸念している」と語った。

2008─09年の世界的な金融危機は主に先進12カ国に影響を与える一方、当時は中国が成長の大きな原動力となったが、今回の危機ははるかに広範囲に及んでいる上、中国の成長率はもはや2桁ではないとした。

米国および世界がリセッションを回避できるかとの質問には「かなり懐疑的」とし、「1990年代半ばにはグリーンスパンFRB議長の下でソフトランディングを実現したが、当時のインフレ懸念は3%程度であり、8.5%程度ではない。FRBによる大幅な引き締めで経済に打撃を与えなかったエピソードを多く挙げることはできない」とした。

さらにインフレリスクの規模を見誤ったのはバイデン政権だけではなく、FRBや国際通貨基金(IMF)なども同様の見解を持っていた一方、世銀は早くからインフレを「真のリスク」だと指摘していたとし、「FRBはもっと早く、もっと積極的に行動すべきだった。待つ期間が長ければ長いほど、より強硬的な措置を取らざるを得なくなる」とした。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独製造業PMI、12月改定47.0に低下 10カ月

ビジネス

ユーロ圏製造業PMI、12月48.8に縮小 9カ月

ワールド

イランで大規模デモ、景気低迷への抗議で死者も トラ

ビジネス

韓国中銀総裁、ウォン安を懸念「経済ファンダメンタル
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 7
    【現地発レポート】米株市場は「個人投資家の黄金時…
  • 8
    感じのいい人が「寒いですね」にチョイ足ししている…
  • 9
    日本人の「休むと迷惑」という罪悪感は、義務教育が…
  • 10
    「断食」が細胞を救う...ファスティングの最大効果と…
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 7
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中