ニュース速報

ビジネス

FRB当局者、米国の高インフレ「予想外に長引く可能性」示唆

2021年06月24日(木)08時35分

米連邦準備理事会(FRB)当局者2人は23日、米国の高インフレ期間が予想以上に長引く可能性があるという考えを示した(2021年 ロイター/Chris Wattie)

[ワシントン 23日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者2人は23日、米国の高インフレ期間が予想以上に長引く可能性があるという考えを示した。

アトランタ地区連銀のボスティック総裁は23日、米経済が新型コロナウイルス感染拡大の影響から順調に回復する中、物価は予想より力強く上昇しているとし、FRBは2022年終盤に利上げに着手する必要があると表明。「最近の指標に予想外の上振れがあったため、個人的な見通しを前倒しした」と述べ、自身が来年の利上げを見込む当局者7人の1人であると明らかにした。

21年のインフレ率は3.4%、経済成長率は7%になり、23年に2回の25ベーシスポイントの利上げがあると予想。ただし、テーパリング(量的緩和の縮小)が完全に終わるまで利上げは待ちたいとの考えを示した。

これに先立ち、米公共ラジオ局(NPR)のインタビューでは、最近の物価上昇について「一時的といっても、当初予想していたよりも多少長くなりそうで、2─3カ月にとどまらず6─9カ月に及ぶかもしれない」と発言。米国の回復状況を評価する上で750万人の失業者を見逃してはならないとし、「この指標はわれわれ全員が注視する必要がある。性急に勝利宣言する形で政策が方向転換しないようにしなければならない」と強調した。

こうした中、FRBのボウマン理事は、経済活動の再開に伴う物価上昇が解消するには「幾分」時間がかかる可能性に言及。昨年は物価上昇が新型コロナの感染拡大で抑制されていたため、今年は前年比の伸びが上振れする可能性が指摘されているが、「このところの物価上昇は、こうした単なる数値の問題を超えている」とし、物価に対する圧力は「供給のボトルネックが解消するにつれて緩和する可能性もあるが、幾分時間がかかる」と述べた。

ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は23日、来年にかけてインフレ率が低下し、2%をわずかに上回る水準になるとの見通しを示した。

雇用の増加が「3─4カ月」続けば、利上げに先立つ債券買い入れ縮小を検討するのに十分な雇用回復の進展が見込まれると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米10月求人件数、1.2万件増 経済の不透明感から

ワールド

スイス政府、米関税引き下げを誤公表 政府ウェブサイ

ビジネス

EXCLUSIVE-ECB、銀行資本要件の簡素化提

ワールド

米雇用統計とCPI、予定通り1月9日・13日発表へ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「財政危機」招くおそれ
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 8
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    ゼレンスキー機の直後に「軍用ドローン4機」...ダブ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中