ニュース速報

ビジネス

米、国際最低税率で中国の例外扱いに同意せず=財務長官

2021年06月17日(木)10時27分

イエレン米財務長官は16日、米国は世界各国がデジタルサービス税差し止めに向けあらゆる手段を尽くしていると述べ、関税措置も辞さない姿勢を示した。写真は6月15日、ワシントンで撮影(2021年 ロイター/Carlos Barria)

[ワシントン 16日 ロイター] - イエレン米財務長官は16日、主要7カ国(G7)が合意した各国共通の最低法人税率に関し、中国など一部の国を例外扱いするいかなる措置にも同意する考えはないと表明した。

米国は他国と協力し、中国が国際最低税率を受け入れるよう説得を続けていると述べ、支持に回ることが国益に合致すると中国が判断するよう期待していると語った。

長官は上院財政委員会で「われわれは、頑健な国際最低税率制度を著しく弱体化させるいかなる例外規定にも同意するつもりはない。中国やその他の国を例外扱いすることはない」と述べた。

「われわれは(最低税率が)機能することを望んでおり、抜け穴だらけになってほしくない」と続けた。

G7財務相会合は今月5日、各国共通の最低法人税率を少なくとも15%に設定することで合意。13日のG7首脳会議(G7サミット)で承認された。

ただ、中国を含む一部の国は、研究開発(R&D)振興や海外からの投資呼び込みを優先政策に据えて経済特区などを含め優遇税制を実施しており、廃止には消極的だ。

G7の協議について詳しいある当局者はロイターに、中国は15%の最低法人税率に反対で、適用除外の対象になることが支持の条件になると語った。

中国を含む20カ国・​地域(G20)は7月にイタリアのベネチアで開く財務相会合で、米国が提案する国際最低税率を主要議題として取り上げる見通し。

イエレン長官はまた、米国は各国がデジタルサービス税を一時停止、もしくは撤回するようあらゆる手段を尽くしていると述べ、関税措置も辞さない姿勢を示した。

アイルランド財務相と「極めて建設的」な協議を行ったとし、米国が提案している国際的な最低税率の引き上げについて、欧州連合(EU)は最終的に支持すると確信していると述べた。

その上で、経済協力開発機構(OECD)主導で進められている課税を巡る協議が10月のG20首脳会議までに進展することを望んでいると語った。

米国内の法人増税に向けた動きが、国際的な合意に弾みを付ける一助になると指摘。また、米国で事業を行う外資系企業の海外への利益移転を阻止するための提案も行っているとした。

このところの米国の物価上昇については、バイデン政権はインフレを「極めて緊密に」注視しているとし、この問題を真剣に受け止めていると表明。物価上昇は米経済の再開がいかに難しいかを示しているとし、物価高につながっている供給網の阻害に政権は対応していると述べた。

中国との関係については、米国の国家安全を守るためにいくつかの部門でデカップリング(分断)が進むとの見方を示した。ただ技術部門のデカップリングには懸念を示した。

このほか、米内国歳入庁(IRS)の納税者情報の漏洩について、「極めて深刻な状況」とし、必要に応じてデータ保全などの対策を取る姿勢を示した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ米大統領、クレジットカード金利に10%の上

ビジネス

関税返還となった場合でも米財務省には十分な資金=ベ

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米雇用統計予想下回る 円は

ワールド

米、ベネズエラと連携し石油タンカー拿捕=トランプ氏
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 6
    「不法移民からアメリカを守る」ICEが市民を射殺、証…
  • 7
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 8
    美男美女と話題も「大失敗」との声も...実写版『塔の…
  • 9
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 10
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 8
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 9
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 10
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中