ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=ダウ433ドル高、失業保険統計改善で安値拾いの買い

2021年05月14日(金)07時13分

5月13日、米国株式市場は主要株価3指数がそろって反発。ウオール街で4日撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米国株式市場は主要株価3指数がそろって反発。ダウ工業株30種は433ドル値上がりして取引を終えた。前日まで売りが続く中、この日は新規失業保険申請件数の改善を手掛かりに安値拾いの買いが入った。

S&P総合500種は1カ月以上ぶりの大幅な上昇率を記録した。ナスダック総合はテスラ株の下げが重しとなり、比較的小幅な上昇にとどまった。

経済再開による恩恵を受けやすいシクリカル(景気循環)銘柄の上げが目立った。

最近の指標で材料や労働力の不足が示される中、インフレ懸念が高まっているが、この日は小型株や半導体株、運輸株が買われ、楽観ムードが優勢となった。

レノックス・ウェルス・アドバイザーズのデビッド・カーター最高投資責任者(CIO)は「経済は年間を通じて堅調に推移する見通しで、インフレも一時的にすぎないとみられることから、きょうは前日に売り込まれたセクターや銘柄が大きく反発した」と語った。

米労働省が13日に発表した8日までの1週間の新規失業保険申請件数は47万3000件と、前週の50万7000件から改善し、新型コロナウイルスの感染第1波に見舞われた昨年3月中旬以降で最低となった。ただ、労働力不足が深刻化する中で、各企業とも従業員の引き留めに頭を悩ませている。

同省発表の4月の卸売物価指数(PPI)は前年同月比6.2%上昇。3月の4.2%から加速し、2010年の統計改定以来の大幅な伸びとなった。

前日発表された4月の米消費者物価指数(CPI)も総合指数が前年比で約12年半ぶりの大幅な伸びとなった。

カーター氏は再びインフレの兆しが示されたとし、「今後数カ月、市場の懸念材料になるだろう」と指摘した。

ただ、物価の上昇は広く予想されていたことで、米連邦準備理事会(FRB)も、持続的なインフレ高進は見込んでいないと繰り返し表明している。

S&Pの主要11セクターでは、原油価格の下落が重しとなり1.4%値下がりしたエネルギーを除き、10セクターが上昇。工業の上昇率が最大だった。

引け後に決算を発表した娯楽大手ウォルト・ディズニーは時間外取引で3.7%下落。第2・四半期(4月3日まで)決算は、利益が市場予想を上回ったものの、注目されていた動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」の世界契約者数は予想に届かなかった。

航空機大手ボーイングは通常取引で0.8%上昇。旅客機「737MAX」の約100機に影響が出た電気系統の問題を巡り、米連邦航空局(FAA)が改修を承認した。

電気自動車(EV)大手テスラは続落し、3.1%安。同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は13日、暗号資産(仮想通貨)のビットコインのマイニング(採掘)に膨大なエネルギーが消費されることを批判するツイートを投稿した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.91対1の比率で上回った。ナスダックでは1.06対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は115億株。直近20営業日の平均は105億3000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 34021.45 +433.79 +1.29 33624.74 34181.77 33623.49

前営業日終値 33587.66

ナスダック総合 13124.99 +93.31 +0.72 13150.94 13247.87 13007.24

前営業日終値 13031.68

S&P総合500種 4112.50 +49.46 +1.22 4074.99 4131.58 4074.99

前営業日終値 4063.04

ダウ輸送株20種 15701.99 +353.40 +2.30

ダウ公共株15種 905.11 +16.01 +1.80

フィラデルフィア半導体 2893.94 +42.79 +1.50

VIX指数 23.13 -4.46 -16.17

S&P一般消費財 1342.55 +9.21 +0.69

S&P素材 545.45 +8.21 +1.53

S&P工業 873.08 +16.26 +1.90

S&P主要消費財 724.60 +9.97 +1.39

S&P金融 619.50 +11.39 +1.87

S&P不動産 259.46 +3.02 +1.18

S&Pエネルギー 389.01 -5.32 -1.35

S&Pヘルスケア 1430.99 +13.46 +0.95

S&P通信サービス 248.59 +2.13 +0.86

S&P情報技術 2336.43 +31.68 +1.37

S&P公益事業 332.53 +5.84 +1.79

NYSE出来高 10.90億株

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 27705 + 225 大阪比

シカゴ日経先物6月限 円建て 27700 + 220 大阪比

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン大統領、トランプ氏にクリスマスメッセージ=

ワールド

ローマ教皇レオ14世、初のクリスマス説教 ガザの惨

ワールド

中国、米が中印関係改善を妨害と非難

ワールド

中国、TikTok売却でバランスの取れた解決策望む
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 10
    【銘柄】「Switch 2」好調の任天堂にまさかの暗雲...…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 9
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 10
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中