ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏経済、なお「松葉杖」に依存 不確実性極めて高い=ECB総裁

2021年04月15日(木)02時07分

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は14日、ユーロ圏経済は金融政策と財政政策という「2本の松葉杖」になお支えられているとし、こうした支援策は経済が完全に回復するまで維持される必要があるとの考えを示した。写真は2月8日、ブリュッセルで撮影(2021年 ロイター/ Olivier Matthys/Pool via REUTERS/File Photo)

[フランクフルト 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は14日、ユーロ圏経済は金融政策と財政政策という「2本の松葉杖」になお支えられているとし、こうした支援策は経済が完全に回復するまで維持される必要があるとの考えを示した。

ラガルド総裁はロイターのイベント「ロイター・ニュースメーカー」で、「深刻な危機は脱したものの、なお2本の松葉杖が手放せない患者を思い起こしてほしい」とし、「患者がしっかりと歩けるようになるまで、金融政策と財政政策という松葉杖のどちらも取り上げることはできない。このことは、回復が十分に進むまで支援を続けることを意味している」と述べた。

ECBは3月10─11日の理事会でパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れを次の四半期に拡大すると決定。今月に入り公表された同理事会の議事要旨によると、債券買い入れの増額ペースを落とすことや、第2・四半期に買い入れを集中させ、状況によって後に買い入れペースを落とすことが話し合われた。

ただラガルド総裁は、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)と英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンへの対応などに言及し、ユーロ圏では不確実性が極めて高い状態が続いているとの認識を表明。一部ECB当局者は早くて7月の緊急買い入れ縮小開始を示唆しているが、こうした流れに水を差す格好となった。

来週のECB理事会では政策変更は見込まれておらず、PEPPの今後の扱いを中心に討議されるとみられている。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パキスタンとアフガン、即時停戦に合意

ワールド

台湾国民党、新主席に鄭麗文氏 防衛費増額に反対

ビジネス

テスラ・ネットフリックス決算やCPIに注目=今週の

ワールド

米財務長官、中国副首相とマレーシアで会談へ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心呼ばない訳
  • 4
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 8
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中