ニュース速報

ビジネス

インテル、第4四半期決算は予想超え 外部委託拡大を明言せず

2021年01月22日(金)14時16分

 米半導体大手インテルは1月21日、第1・四半期決算が利益と売上高ともに市場予想を上回るとの見通しを示した。写真はPC向け新型チップ「タイガーレイク」。2020年1月、ネバダ州で撮影(2021年 ロイター/Steve Marcus)

[21日 ロイター] - 米半導体大手インテルは21日、第1・四半期決算が利益と売上高ともに市場予想を上回るとの見通しを示した。新型コロナウイルス流行に伴い家で過ごす生活へのシフトが進む中、パソコンやサーバー向け半導体需要が堅調な状況が続くと見込む。

第1・四半期の調整後売上高見通しは175億ドル、調整後1株利益見通しは1.10ドル。リフィニティブのIBESデータに基づくアナリスト予想平均はそれぞれ160億6000万ドル、0.93ドルだった。

同時に発表した第4・四半期決算も、売上高と調整後1株利益ともに、リフィニティブIBESデータの市場予想を上回った。

売上高は200億ドル、予想は175億ドルだった。調整後1株利益は1.52ドルで、予想は1.10ドルだった。

決算は米株市場の取引終了直前に発表され、インテル株は6.5%高で引けた。ただ、パット・ゲルシンガー次期最高経営責任者(CEO)が「2023年の製品の大半が自社生産になると確信している」とし、「特定の技術や製品」については外部委託が増える可能性が高いと述べて外部委託への明確なシフトを示さなかったことから、時間外取引で株価は4.7%下落した。

同社はまた、決算資料の一部への「不正アクセス」について調査していると発表。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、同社がハッキングを検知し、予定より発表を早めたと報じた。

インテルは昨年7月以来、半導体の設計と生産の両方を自社で行う長年の戦略を廃止してCPU(中央演算処理装置)の生産を外部委託する可能性について検討してきた。

ムアー・インサイツ・アンド・ストラテジーのパトリック・ムアーヘッド氏は「どのファウンドリー(受託生産会社)にするのか、いつになるのかについて回答は得られなかった。先延ばしされた」と指摘。

サミット・インサイツ・グループのアナリスト、キンガイ・チャン氏はインテルが半導体の旗艦製品を外部委託する可能性は低いと分析。

「インテルの14ナノメートル(nm)半導体のトランジスタのスピードは、どのファウンドリーの製品に比べても、たとえそれが7ナノメートルであっても、常に速かった。長期的にファウンドリーの利用を増やすと見込むが、ラージコアCPUは対象にならないだろう」とした。

第4・四半期のパソコン向け半導体事業の売上高は109億ドルで、ファクトセットのアナリスト予想の95億7000万ドルを上回った。

ここ数年のインテルの成長をけん引してきたデータセンター向け部門の売上高は61億ドルで、こちらもファクトセットのアナリスト予想の54億8000万ドルを上回った。ただ、同部門で急成長してきたクラウドコンピューティング向けは15%の減収となった。

同社はまた、配当を5%引き上げた。

デービス最高財務責任者(CFO)はクラウド向け半導体の販売は今年の下半期に持ち直す見込みで、データセンターの営業利益率は下期に向けて改善するとの見通しを示した。

同氏はロイターの取材に対し、今年下半期には回路線幅10ナノメートル(nm)の半導体の生産量が14nmの半導体の生産を上回ると語った。インテルはこれまで、年内のどの時期に10nmと14nmの生産量が逆転するか示してこなかった。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=ダウ436ドル安、CPIや銀行決算受

ビジネス

NY外為市場=ドル急伸し148円台後半、4月以来の

ビジネス

米金利変更急がず、関税の影響は限定的な可能性=ボス

ワールド

中印ブラジル「ロシアと取引継続なら大打撃」、NAT
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パスタの食べ方」に批判殺到、SNSで動画が大炎上
  • 2
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 5
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 6
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中…
  • 7
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 8
    「オーバーツーリズムは存在しない」──星野リゾート…
  • 9
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 10
    歴史的転換?ドイツはもうイスラエルのジェノサイド…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中