ニュース速報

ビジネス

米モルガンS、第4四半期は大幅増益 コロナトレード追い風

2021年01月21日(木)01時56分

米金融大手モルガン・スタンレーが20日に発表した2020年第4・四半期(12月31日まで)決算は、利益が急増した。ニューヨークで2018年7月撮影(2021年 ロイター/Lucas Jackson)

[20日 ロイター] - 米金融大手モルガン・スタンレーが20日に発表した2020年第4・四半期(12月31日まで)決算は、利益が大幅に増加した。新型コロナウイルス感染拡大を受け金融市場でボラティリティーが高まったことで、トレーディング業務が恩恵を受けた。

普通株主帰属の純利益は32億7000万ドル(1株当たり1.81ドル)と、前年同期の20億9000万ドル(同1.30ドル)から増加した。リフィニティブがまとめた1株利益のアナリスト予想は1.27ドルだった。

純収入は136億4000万ドルと、108億6000万ドルから増加。業務別では、投資銀行業務が23億ドルと、15億8000万ドルから増加、セールス・トレーディング業務が42億2000万ドルと、31億9000万ドルから増加した。

株式引受業務の収入は前年同期比81%増。大型新規株式公開(IPO)などが押し上げ要因になった。民泊仲介大手のエアビーアンドビーやフィンテックのアファーム・ホールディングスなどのIPOを引き受けた。

オッペンハイマーのアナリスト、クリス・コトウスキー氏は「こうした環境が特殊であることは明らかで、今後も長続きするとは考えにくい」と指摘した。

第4・四半期は米大統領選挙のほか新型コロナワクチンを巡る動向などで市場の売買高が膨らみ、トレーディング部門の業績が押し上げられた。

収益性の目安となる有形自己資本利益率(ROTCE)は17.7%。第3・四半期は15.0%、昨年は13%だった。2カ年目標は当初の13─15%から14─16%に、長期目標は当初の15─17%から17%超にそれぞれ引き上げた。

ゴーマン最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け電話会議で「今後10年を見据え、当行は成長局面にある」と指摘。「もし3年前に17%を超えるROTCEを目標に掲げていたら、論外だと思われただろう」と語った。

モルガン・スタンレーは21年に100億ドルの自社株買い戻しを実施する。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は反落、朝高後は利益確定 米FOMC前で

ワールド

欧州企業、中国供給網の多角化を加速=商工会議所

ビジネス

午後3時のドルは156円後半で小動き、米FOMC前

ビジネス

アクセンチュア、アンソロピックと提携拡大 従業員A
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 4
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 5
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 6
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中