ニュース速報

ビジネス

仏ルノーが生産台数縮小へ、25年に310万台 利益向上へ戦略見直し

2021年01月15日(金)01時33分

 仏自動車大手ルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(写真)は1月14日、就任後初の戦略見直しで、コスト削減目標を引き上げるとともに、生産台数を縮小する計画を示した。写真は昨年10月の仏ムードンでの記者会見。(2021年 ロイター/Benoit Tessier)

[パリ 14日 ロイター] - 仏自動車大手ルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は14日、昨年7月の就任以来初めて戦略を見直し、コスト削減目標を引き上げるとともに、生産台数を縮小する計画を示した。利益率向上を目指す。

製造部門の簡素化と研究といった分野における支出抑制のほか、2025年の生産台数を約310万台とし、19年の400万台から縮小する計画を示した。

効率性と利益率にフォーカスした新たな計画は、カルロス・ゴーン元会長兼CEOがかつて打ち出したボリューム拡大戦略からの脱却となる。

デメオCEOはオンライン説明会で「われわれはより大きく成長したが、より良くではなかった」と指摘。現在の課題は「市場シェアからマージンへ事業を誘導する」ことだと付け加えた。

これに向けルノーは自動車生産にあたって共有プラットフォームを少なくし、23年までに1台当たりコストを600ユーロ(730ドル)切り詰める。同社によると、25年までに発売する自動車の半分は電化バージョンになり、電気モデルは化石燃料車よりも利益率が良くなるという。

ジェフリーズのアナリスト、フィリップ・フショワ氏は顧客向けノートで、ルノーの新たな利益目標を「迫力に欠ける」と指摘。「ルノーの困難の大きさ」を反映しているとした。

ルノーは新車開発期間を1年短縮し、3年未満とする計画。また、データ、モビリティー、エネルギー関連サービスからの「新たな利益プール」に焦点を当てた「Mobilize」と呼ばれる新事業部門を発表した。

デメオCEOは、2030年までにこの事業からルノーの売上高の少なくとも2割を稼ぎ出すことを目指すとし「われわれはテックと連携している自動車会社から車と連携しているテック企業に変化するだろう」と述べた。

ルノーは14日、コスト削減目標を5億ユーロ(6億0800万ドル)上積みし、23年までに25億ユーロとしたほか、営業利益率を徐々に改善させ、23年までに5%を達成するとの目標を設定した。

また、設備投資・研究コストを25年までに売上高の10%から8%に引き下げる方針。全体として、これらの措置により、ルノーの損益分岐点は23年までに30%下がる見通し。

20年の利益率はまだ発表されていない。ただ、新型コロナウイルス流行を受け、19年の4.8%を下回る公算が大きい。

ルノーは、オートモーティブフリーキャッシュフローを23年までに30億ユーロ、25年までに60億ユーロとする目標を示した。

シティバンクのアナリストは顧客向けノートで「短期的なキャッシュ目標へのコミットメントは、投資家にとって主な懸念となっている中でポジティブだ」と指摘。「同業他社と比べて著しいディスカウント水準でのルノー株取引が続いていることを考慮すると、持続可能な基盤に向けたルノーの動きを巡る詳細がさらに明らかになったことも歓迎すべきだ」とした。

日産自動車の内田誠社長は14日、収益性の高いモデルに焦点を当てるルノーの戦略見直しについて、両社のアライアンス強化につながる力強い計画と指摘。ルノーのオンラインプレゼンテーションで、日産とルノーの事業計画は補完的かつ協調的で、アライアンスが生み出す機会に自信を持っていると述べた。その上で、この先非常に厳しい事業環境に直面する準備を整えておく必要があると語った。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、イスラエルと行動を調整 ガス田再攻撃の抑制要請

ワールド

トランプ氏、真珠湾攻撃引き合いに イラン攻撃巡り

ワールド

トランプ氏、中東への米軍追加派遣否定 対イラン作戦

ビジネス

米新規失業保険申請、8000件減の20.5万件 金
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 5
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 6
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 9
    トランプ暴走の余波で加熱するW杯「ボイコット論」..…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中