ニュース速報

ビジネス

ドルが2年半ぶり安値、コロナワクチンへの期待で=NY市場

2020年12月04日(金)07時55分

12月3日、 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが約2年半ぶりの安値に下落する一方、ユーロは上昇した。写真は米ドル紙幣。2018年2月撮影(2020年 ロイター/Jose Luis Gonzalez)

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが約2年半ぶりの安値に下落する一方、ユーロは上昇した。米追加刺激策の協議に進展の兆しが出ていることや新型コロナウイルスワクチンを巡る楽観的な見方を受けた。

午後の取引では、主要6通貨に対するドル指数は0.3%安の90.72。一時は90.504まで下げ、2018年4月以来の低水準となった。

安全資産としての魅力が薄れたことで、ドルは対スイスフランでも約6年ぶり安値を付けた。

追加刺激策を巡っては、民主党のペロシ下院議長と共和党上院トップのマコネル院内総務が協議した。共和党は5000億ドル規模の措置を求めているが、民主党は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の対応に余りにも少なすぎるとして拒否してきた。

英国は米ファイザーのコロナワクチンを2日に承認。ワクチンに対する楽観的な見方でリスク選好が強まっており、安全資産のドルが売られている。

OANDAのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は「ドルの弱気はすぐには消えない」と指摘。「コロナワクチン配布に日々近づいており、来年にはより迅速な回復が見られるという楽観的な見方が広がっている」と述べた。

米労働省が3日発表した11月28日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は71万2000件と、前週の78万7000件から減少した。アナリスト予想の77万5000件を超えて減少し、これもドルを圧迫した。

ユーロは一時1.2174ドルと、18年4月以来の高値まで上昇。終盤は0.2%高の1.2142ドル。

英ポンドは、英国と欧州連合(EU)の交渉が続く中、対ドルで0.7%高の1.3452ドル。

豪ドルは一時、18年8月以来の最高値を更新。その後は0.4%高の0.7445米ドル。ニュージーランドドルも一時は0.71米ドルを上抜け、2年半ぶりの高値を更新。終盤は0.23%高の0.708米ドル。

ドルは対円で1週間超ぶりの安値に下落し、終盤は0.4%安の103.98円で推移。対スイスフランでは0.36%安の0.8917フラン。一時は15年1月以来の安値に沈んだ。

ドル/円 NY終値 103.83/103.85

始値 104.26

高値 104.29

安値 103.68

ユーロ/ドル NY終値 1.2140/1.2144

始値 1.2127

高値 1.2175

安値 1.2119

(表はリフィニティブデータに基づいています)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米「夏のブラックフライデー」、オンライン売上高が3

ワールド

オーストラリア、いかなる紛争にも事前に軍派遣の約束

ワールド

イラン外相、IAEAとの協力に前向き 査察には慎重

ワールド

金総書記がロシア外相と会談、ウクライナ紛争巡り全面
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 3
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打って出たときの顛末
  • 4
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 5
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    主人公の女性サムライをKōki,が熱演!ハリウッド映画…
  • 8
    【クイズ】未踏峰(誰も登ったことがない山)の中で…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 7
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中