ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米株安などでリスク選好後退

2020年12月01日(火)07時18分

[ニューヨーク 30日 ロイター] - ニューヨーク外為市場で、ドルが主要通貨に対して上昇した。米株価が反落し、米経済指標が軟調となる中、追加刺激策導入の兆しが見えないことも相まってリスク選好が後退し、安全通貨としてのドルに買いが入った。ただ月間ベースでは2.3%下落し、7月以来の大幅な下落となった。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは過去最高値を更新。終盤の取引では5.7%高の1万9235.96ドル。

この日発表の米経済指標では、全米リアルター協会(NAR)の10月の中古住宅販売仮契約指数が前月比1.1%低下の128.9と、2カ月連続で低下。金融情報会社MNIの11月の米シカゴ景気指数は58.2と前月の61.1から低下し、市場予想の59.0も下回った。新規受注が新型コロナウイルス禍からの回復が始まった5月以降で初めて低下した。

OANDA(ニューヨーク)のシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「米経済指標は一段と軟調になっている」とし、こうした中でも「議会で追加経済刺激策が近く策定される兆しは全く出ていない」と述べた。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は 0.2%高の91.89。

モヤ氏は「ドルの上昇は一時的なものにすぎず、長期的には明らかにドル安傾向にある」と指摘。実際、ドル指数は過去7カ月のうち5カ月で下落している。

ユーロは対ドルで0.2%安の1.1942ドル。一時は1.20ドルと、3カ月ぶり高値を付けた。

市場は今週のECB理事会に注目。バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は 「ECBは来週の理事会でハト派姿勢を示すとみられており、理事会前に高値を追うことは控えている」と述べた。

ユーロは月次ベースで対ドルで2.6%上昇。7月以来の大きな上昇となった。

ドルは対円で0.2%高の104.33円。

ドルは中国人民元に対しオフショア市場で横ばいから小幅高。中国国家統計局発表の11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.1と、10月の51.4から上昇し、2017年9月以来約3年ぶりの高水準となった。

オフショア人民元の月次ベースの上昇は6年ぶりの長さを記録した。

ドル/円 NY終値 104.27/104.30

始値 104.00

高値 104.40

安値 104.02

ユーロ/ドル NY終値 1.1928/1.1932

始値 1.1986

高値 1.2003

安値 1.1925

(表はリフィニティブデータに基づいています)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は続伸、米早期利下げの思惑が支援 ハイテク

ワールド

高市首相、放漫財政を否定 為替は「状況見て必要な手

ワールド

マクロスコープ:米中接近で揺れる高市外交、「こんな

ビジネス

英中銀のQT、国債利回りを想定以上に押し上げ=経済
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中