ニュース速報

ビジネス

米株はダウ3万ドル突破、ワクチン開発進展や米政権移行開始で

2020年11月25日(水)07時22分

米国株式市場は続伸して取引を終了。ダウ工業株30種は初めて3万ドルを突破した。景気回復への期待や新型コロナウイルスのワクチン開発を巡る進展、米国の政権移行開始に支援された。ウォール街で2018年8月撮影(2020年 ロイター/BRENDAN MCDERMID)

[ニューヨーク 24日 ロイター] - 米国株式市場は続伸して取引を終了。ダウ工業株30種は初めて3万ドルを突破した。景気回復への期待や新型コロナウイルスのワクチン開発を巡る進展、米国の政権移行開始に支援された。

S&P総合500種の主要11セクターは景気動向に敏感な銘柄を中心に10セクターが上昇。工業株は過去最高値を付けた。

トランプ米大統領は23日、バイデン次期政権への移行プロセスを開始することを一般調達局(GSA)にようやく許可した。

バイデン氏が次期財務長官に連邦準備理事会(FRB)のイエレン前議長を指名するとの報道も、市場の地合いを押し上げている。

新型コロナのワクチンに関しては最近のデータで、年末までに利用できるようになる可能性が示されており、S&P500は月間で4月以来の良好なパフォーマンスを記録する勢いだ。当初の感染拡大を受けた市場の混乱で売り込まれていたバリュー株の需要が高まっている。

ベアードの投資戦略アナリスト、ロス・メイフィールド氏は「選挙に関して不透明感がやや後退した。市場はイエレン氏に関するニュースについてもかなり好意的に受け止めているとみられる。あらゆることがやや前進した良い日のようだ」と指摘した。

ダウは一時、3万0116.51ドルまで上昇。S&P500も終値ベースで最高値を更新した。

電気自動車(EV)大手テスラは6.4%高とS&P500への採用を控え、買いが加速。時価総額が5000億ドルを突破した。

航空機大手ボーイングも3.3%上昇。2度の墜落事故を受けて運航停止となっている同社の旅客機「737MAX」について、欧州当局が運航再開の承認に向けた手続きを開始したことが材料となった。

資産運用世界最大手の米ブラックロックは23日の投資家向けノートで、米国株の投資判断を「オーバーウエート」に引き上げた。大型ハイテク株のほか、小型景気循環株にも強気に転じた。

ただ、米国では新型コロナの感染者が急増し、多くの国民が失業状態にあることから、米株市場は今後数カ月、ボラティリティーの高い展開や最高値圏からの後退に見舞われやすい状況が続く可能性があると一部のアナリストは指摘している。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.16対1の比率で上回った。ナスダックでは2.09対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は141億8000万株。直近20営業日の平均は111億8000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 30046.24 +454.97 +1.54 29746.11 30116.51 29746.11

前営業日終値 29591.27

ナスダック総合 12036.79 +156.15 +1.31 11939.33 12049.88 11863.45

前営業日終値 11880.63

S&P総合500種 3635.41 +57.82 +1.62 3594.52 3642.31 3594.52

前営業日終値 3577.59

ダウ輸送株20種 12715.38 +291.27 +2.34

ダウ公共株15種 882.62 +9.61 +1.10

フィラデルフィア半導体 2609.01 +13.76 +0.53

VIX指数 21.69 -0.97 -4.28

S&P一般消費財 1269.93 +16.57 +1.32

S&P素材 452.65 +11.03 +2.50

S&P工業 756.30 +13.34 +1.80

S&P主要消費財 687.80 +4.62 +0.68

S&P金融 475.46 +16.20 +3.53

S&P不動産 227.68 -0.06 -0.02

S&Pエネルギー 300.95 +14.77 +5.16

S&Pヘルスケア 1266.01 +3.59 +0.28

S&P通信サービス 216.17 +4.85 +2.29

S&P情報技術 2138.19 +29.21 +1.39

S&P公益事業 325.21 +3.58 +1.11

NYSE出来高 11.73億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 26475 + 245 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 26470 + 240 大阪比

*内容を追加しました。

(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インドネシア中銀、ルピア圧力緩和へ金利据え置き 2

ビジネス

MS&AD、純利益予想を上方修正 損保子会社の引受

ワールド

アングル:日中対立激化、新たな円安の火種に 利上げ

ビジネス

農林中金の4ー9月期予想上振れ 通期据え置きも「特
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 10
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中