ニュース速報

ビジネス

ダウ219ドル安、コロナ感染急増がワクチン期待に水差す

2020年11月21日(土)07時05分

米国株式市場は下落し、ダウ工業株30種<.DJI>が219ドル安で取引を終えた。写真はニューヨーク証券取引所。19日撮影(2020年 ロイター/Shannon Stapleton)

[20日 ロイター] - 米国株式市場は下落し、ダウ工業株30種<.DJI>が219ドル安で取引を終えた。新型コロナウイルス感染の急増がワクチン実用化への期待に水を差す格好となった。

週間ではダウ平均とS&P総合500種指数<.SPX>が小幅安。ハイテク株の多いナスダック総合指数<.IXIC>は小幅高となった。

レノックス・ウエルス・アドバイザーズ(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、デービッド・カーター氏は「コロナ感染の急増とワクチン開発の進展で、相場は一進一退の動きになっており、ワクチンが実用化するまでこうした状況が続くだろう」と述べた。

米製薬大手ファイザーは20日、開発中のコロナワクチンの緊急使用許可を米食品医薬品局(FDA)に申請した。コロナワクチンの緊急使用許可申請は米国内で初めて。

ムニューシン米財務長官は19日、新型コロナウイルス危機を受けて導入した連邦準備理事会(FRB)の緊急融資プログラムの一部について、期限を延長せず12月31日に終了する考えを表明。長官はこの日、コロナ禍で中小企業が必要としているのは融資ではなく返済義務のない補助金だと述べ、コロナ向け緊急支援プログラムの一部打ち切りに理解を求めた。

一方、シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は、ムニューシン長官の判断について「バックストップ(安全策)としての役割はかなりの期間、非常に重要になり得ることから、失望している」とした上で「コロナ感染は拡大しており、リスクが伴う。全方位からの支援拡大が望ましい」と述べた。

前出のカーター氏は「こうした財務省とFRBの対立は望ましくなく、相場に深刻な影響をもたらす恐れがある。コロナのリスクが根強い中、タイミングが悪い」とした。

全米ではコロナ感染者が記録的に増加する中、コロナ関連の入院数が50%も跳ね上がっており、各地で学校や店舗の閉鎖や外出禁止の動きが相次いでいる。

個別銘柄ではテレビ会議ソフトのZoom(ズーム)が6%高。

製薬のギリアド・サイエンシズは0.9%安。世界保健機関(WHO)は20日、同社の抗ウイルス薬「レムデシビル」について、症状の重さにかかわらず、新型コロナウイルス感染症の入院患者による使用は推奨しないとの指針を示した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.06対1の比率で上回った。ナスダックでは1.12対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は106億9000万株。直近20営業日の平均は107億株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 29263.48 -219.75 -0.75 29437.5 29469.8 29231.2 <.DJI>

7 9 0

前営業日終値 29483.23

ナスダック総合 11854.97 -49.74 -0.42 11892.7 11935.4 11852.5 <.IXIC>

0 7 1

前営業日終値 11904.71

S&P総合500種 3557.54 -24.33 -0.68 3579.31 3581.23 3556.85 <.SPX>

前営業日終値 3581.87

ダウ輸送株20種 12232.10 -118.65 -0.96 <.DJT>

ダウ公共株15種 873.29 +0.35 +0.04 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 2555.50 -14.72 -0.57 <.SOX>

VIX指数 23.70 +0.59 +2.55 <.VIX>

S&P一般消費財 1243.31 -6.37 -0.51 <.SPLRCD>

S&P素材 437.84 -0.58 -0.13 <.SPLRCM>

S&P工業 730.99 -6.70 -0.91 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 682.83 -4.41 -0.64 <.SPLRCS>

S&P金融 450.77 -4.01 -0.88 <.SPSY>

S&P不動産 228.51 -1.51 -0.66 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 267.24 -1.41 -0.52 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 1266.25 -2.49 -0.20 <.SPXHC>

S&P通信サービス 211.22 -1.17 -0.55 <.SPLRCL>

S&P情報技術 2109.68 -22.39 -1.05 <.SPLRCT>

S&P公益事業 321.68 +0.15 +0.05 <.SPLRCU>

NYSE出来高 9.86億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 25745 + 205 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物12月限 円建て 25740 + 200 大阪比 <0#NIY:>

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米経済「「対応困難な均衡状態」、今後の指標に方向性

ビジネス

再送MSとエヌビディアが戦略提携、アンソロピックに

ワールド

サウジ、6000億ドルの対米投資に合意 1兆ドルに

ビジネス

米中小企業、26年業績改善に楽観的 74%が増収見
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 10
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中