ニュース速報

ビジネス

再送:三菱重、従業員の出向をトヨタ系などに打診 業績悪化で=関係者

2020年10月28日(水)11時31分

 新型コロナウイルスの影響で業績が悪化している三菱重工業が、グループ外の複数の企業に従業員の出向受け入れを打診していることが分かった。写真は2016年7月、相模原市で撮影(2020年 ロイター/Maki Shiraki)

[東京 28日 ロイター] - 新型コロナウイルスの影響で業績が悪化している三菱重工業<7011.T>が、グループ外の複数の企業に従業員の出向受け入れを打診していることが分かった。同社は民間航空機の部品事業が不振、小型ジェット旅客機の開発事業も赤字が膨らんでいる。コストを圧縮するため、出向という形で一時的に余剰人員を削減する。事情を知る複数の関係者が明らかにした。

全日本空輸を傘下に持つANAホールディングス<9202.T>も複数企業に出向の受け入れを要請しており、コロナ禍で需要が落ち込む航空関連業界の苦境が浮き彫りになった。

関係者によると、三菱重は愛知県内の複数企業に従業員受け入れを打診。このうち、トヨタ自動車<7203.T>グループの部品メーカー、豊田合成 <7282.T>には来年1月以降、原則3年間、工場の生産技術者など数十名を受け入れてもらえないか要請している。人件費を抑えてコロナ禍を乗り切りたい考えで、需要回復時には人員を戻せるよう雇用は維持する。

愛知県には三菱重工の米ボーイング向け航空機部品関連の工場があるほか、小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット」(旧MRJ)の開発子会社、三菱航空機(愛知県豊山町)が拠点を構える。

三菱重の広報は、個別の話は回答を控えたが、出向を通じて「人員規模の調整はしている」と述べた。豊田合成はコメントを控えた。

三菱重の20年4─6月期(国際会計基準)は579億円の連結最終赤字(前年同期は163億円の黒字)に転落。小型ジェット旅客機の開発事業は688億円の損失を計上した。日本会計基準を採用していたころも含め、四半期として過去最大の赤字だった。

別の関係者によると、三菱重は納入先である航空各社の業績悪化で受注が見込めないことから、スペースジェットの事業化を凍結する方向で調整している。運航に必要な認証である「型式証明」の取得に向けた作業は続けるが、量産化の準備や営業活動は当面行わない。

過去最大の最終赤字と構造改革計画を27日に発表したANAは、12月までに家電量販店のノジマ<7419.T>、高級スーパーの成城石井など約10社に100人、来春には400人以上を出向させることを明らかにした。ノジマではコールセンター業務に従事するほか、成城石井では店舗スタッフとして働く。そのほか、ホテルのコンシェルジェ、企業の受付・事務・企画などの業務に就く予定だ。

*企業コードを追加しました。

(白木真紀 取材協力:ティム・ケリー 編集:久保信博)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

国連事務総長特使がイラン訪問へ、和平促す取り組みの

ビジネス

米国株式市場=まちまち、ホルムズ海峡期限控え交渉動

ワールド

USMCA再交渉、7月1日の期限後も継続の可能性=

ビジネス

世銀総裁、中東戦争の経済的な影響を警告 成長鈍化と
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命防衛隊と消耗戦に
  • 4
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 5
    「王はいらない」800万人デモ トランプ政権への怒り…
  • 6
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 7
    【後編】BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音…
  • 8
    5日間の寝たきりで髪が...ICUに入院した女性を襲っ…
  • 9
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 10
    「人間の本性」を見た裁判官が語った、自らの「毒親…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 6
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 7
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 8
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 9
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 10
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中